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福井県の計画、細部は途上 原発の行方・第8章(2)

  • 2013年11月1日
  • 15:49
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福井県原子力防災総合訓練で放射性物質が付着してないかスクリーニングを受ける避難住民=16日午後0時30分ごろ、福井県おおい町野尻の大飯中
福井県原子力防災総合訓練で放射性物質が付着してないかスクリーニングを受ける避難住民=16日午後0時30分ごろ、福井県おおい町野尻の大飯中

 「各段階の対策が総合的にしっかり取られていることが実効性ある原子力防災につながる」。西川一誠福井県知事は常々こう説明している。「段階」とは(1)原発の安全確保(2)重大事故が起きた場合の制圧(3)被害が拡大した場合の住民避難―の三つだ。

 第1段階の「原発の安全確保」に向け、電力各社は東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、電源や冷却機能の多重化などを行った。再稼働を目指す原発は原子力規制委員会による安全審査で確認している。

 次の「事故制圧」については、県内の原発が幹線道路の少ない半島先端部に位置していることが不安材料となる。制圧に当たる自衛隊などが現地に急行できるよう、道路の複線化を急いでいる。

 最後の「住民避難」を担保するのが、12年ぶりに全面改定された県の原子力防災計画。重点対策地域を原発から半径30キロ圏に拡大し、県外避難を初めて盛り込んだ。実効性を高めるための細部の詰めはこれからだ。

 「原発に近い地域から一つ一つ積み重ねて広域的な避難態勢を構築していく」と西川知事。他の立地道県より計画改定の進み具合は遅かったが、6月には県外の避難先が兵庫、奈良、石川3県に決まり、年度内には具体的な避難施設が固まるところまでこぎつけた。

 ただ、まだまだ住民が安心できる体制ではない。隣接する京都府や滋賀県との連携強化が必要であり、放射性物質が衣服などに付着していないかを調べるスクリーニングを行う場所や避難経路も決めなければならない。学校や病院、福祉施設の対策、訓練の充実などの課題も残っている。

 原発事故が甚大な被害をもたらすことは福島事故であらためて浮き彫りとなった。約5万人の福島県民が県外で避難生活を送り、首都圏の避難者を支援するため、都庁と神奈川県庁に福島県の職員が今なお1人ずつ常駐しているほどだ。

 だからこそ「県外避難しなければならないような事故が起きたら終わり」(嶺南の県議)というのが県内立地地域の住民の率直な思い。「福島のような事故を福井では絶対に起こさせない」とする県は、原子力防災の3段階すべて重要としながらも「原発の安全確保」を本音では最重視している。

 しかし発生確率がどれだけ低くても、ひとたび重大事故が起これば収束が困難というのも福島の教訓。「われわれの二の舞にならないよう集団で逃げる広域避難先や移動手段、ルートをきっちり定め、訓練で徹底しないといけない」。福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長は再稼働に否定的な考えを述べた上で、仮にするならばと前置きして指摘した。

 佐藤正雄福井県議(共産党)は「原発があり、核物質がある以上は、仮に再稼働がなくても実効性のある避難計画をセットで持っておく必要がある」と強く訴える。


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