福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

核廃棄物の敷地内埋設を国に申請 廃炉先進地・東海原発ルポ(下)

  • 2015年8月5日
  • 20:03
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア0
  • 0
東海原発敷地内の固体廃棄物貯蔵庫に保管されている低レベル放射性廃棄物=7月、茨城県東海村
東海原発敷地内の固体廃棄物貯蔵庫に保管されている低レベル放射性廃棄物=7月、茨城県東海村

 原発の解体で出る放射性物質に汚染された廃棄物の処分先が決まるかどうかが、更地化に向けた廃炉工程に大きく影響する。日本原電は7月、東海原発(茨城県東海村)の放射性廃棄物のうち「放射能レベルが極めて低い」分類の解体ごみを敷地内に埋めて処分する事業許可を国に申請した。福井県の古い原発3基の廃炉でも事業者が今後作業を進める中で同様の処分を望む可能性はある。地元の茨城県と東海村が容認するかどうか、対応が注目される。

 廃炉作業で出る「低レベル放射性廃棄物」は、汚染の度合いに応じて3段階に分かれ、地中に埋める場合の深さや処分方法が異なる。炉内構造物や制御棒は「放射能レベルの比較的高いもの」(L1)、原子炉圧力容器などは「比較的低いもの」(L2)、原子炉周辺の配管やコンクリートなどは「極めて低いもの」(L3)に分類される。

 東海原発の解体で出る廃棄物の総量は約19万6700トンで、うちL1が1600トン、L2は1万3千トン、L3は1万2300トンと想定。廃炉が決まった福井県の関西電力美浜1、2号機の場合、総量は約35万5千トンで、L1約200トン、L2約1400トン、L3約3400トンの見積もりだ。

 現在、東海原発の解体で生じているのはL3やL2相当の廃棄物。いずれも鉄製の箱に入れられ、敷地内にある固体廃棄物貯蔵庫で保管している。貯蔵庫には隣接する東海第2原発の運転中に出た廃棄物も保管され、容量の8割以上が埋まっている状態だ。

 「廃炉作業でL3が今後、大量に発生してくる。廃炉を工程通りに進めていくには処分場所が早期に必要になった」と東海原発の近江正副所長。この時期にL3の敷地内埋設の事業許可を申請した理由を明かした。

  ■  ■  ■

 埋設予定地は敷地北側の駐車場や山林だった場所で、縦80メートル、横100メートル。深さ4メートルの穴を掘り、コンクリや金属の廃棄物を専用容器に詰めて埋めた後、2メートルほど土で覆う。操業開始の目標は2018年度。8年間で埋設を終え、放射能が減る50年以内をめどに管理・監視する計画だ。

 L3の処分先を敷地内に選んだのは「敷地外だと一般道を使う上、輸送量が多く、安全面を考慮した結果」と担当者。輸送コストを抑えることも理由にあるようだ。茨城県によると、原電は06年度ごろからL3の敷地内埋設を想定した地下水調査などを行ってきたという。

 原電は原子力規制委員会に埋設の事業許可を申請したのと同時に、安全協定に基づき茨城県と東海村に事前了解を得るための計画書を提出した。県と村は今後、専門家らでつくる委員会や懇談会で敷地内埋設の安全性などを審議し了解の是非を判断。県は隣接4市の意見も聞く方針だ。

 東海村は、安全性の確認が大前提としつつ「村外に持ち出せれば一番いいが、現実は難しいので受け入れるのはやむを得ない」(防災原子力安全課)との認識。処分先が決まらない方が、老朽化する建屋の解体も遅れて危険性が増すと危惧する。

  ■  ■  ■

 原電はL3の処分方針は示したものの、放射能レベルが比較的高いL1、2の処分先は決まっていない。L1に至っては、処分基準さえ決まっておらず規制委が基準づくりを進めている段階だ。L1、2の処分先も広い敷地が必要で近江副所長は「敷地内の処分は考えていない」と話す。他の電力会社と協力して1カ所に集中的に処分する方法が合理的だと強調する。

 処分先が具体化しなければ廃炉作業の計画が滞るのは必至。福井県の廃炉が決まった3基の処分先も同様に未定で、原子力業界は難題を抱えたままだ。

  ×  ×  ×

 商業用原発で国内初の廃炉作業が進む日本原電東海原発(茨城県東海村)。作業開始から約14年がたち、今は放射性物質に汚染された大型設備を遠隔操作で切断する技術を開発しながら、解体に取り組んでいる。原電は「蓄積したノウハウを他の電力会社に提案できる」と意気込む。原電敦賀1号機など本県の古い3基の廃炉が決まった中、先進地の現状を2015年7月末に取材した。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース