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もんじゅの核のごみ行き場なし 余剰プルトニウムを米国が懸念 

  • 2017年5月7日
  • 09:05
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廃炉が正式に決まった高速増殖原型炉もんじゅ=2016年12月、福井県敦賀市
廃炉が正式に決まった高速増殖原型炉もんじゅ=2016年12月、福井県敦賀市

 安倍政権は昨年、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉を決めた。トラブル続きで一向に動かぬ「夢の原子炉」は、いつしか政治的な重荷となり、原発回帰を進める保守政権の背中すら押した。だが、夢の挫折後も、残された核のごみに行き場はない。日本のプルトニウム利用に対する懸念の声も海外から聞こえ、廃炉決定後も難題が横たわる。

 「もんじゅを廃炉にしたら、日本は東海村にある4トンのプルトニウムを一体どうするつもりなのか」。高速増殖原型炉もんじゅの廃炉方針が明確になった昨秋以降、米国内の核不拡散専門家がこんな声を上げ始めた。

 茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の施設には、約4トンのプルトニウムが貯蔵されている。使用済み燃料を再処理して抽出したもので、主にもんじゅの燃料に加工する予定だった。4トンは単純計算で核爆弾500発分に相当する。

 もんじゅ廃炉後、プルトニウムを何に使うのか。また再処理から時間が経過しており、一部が自然崩壊してアメリシウムが発生している。アメリシウムは核分裂の阻害要因だが、核燃料として使い物になるのか―。日米両政府の当局者によると、米政府はこんな疑問と懸念を抱き、日本政府に問い合わせてきた。

 「もんじゅの代わりに、高速実験炉の常陽で使う。『利用目的のないプルトニウムは持たない』とする日本の国際公約に変化はない」。日本政府は3月に担当者をワシントンに派遣するなどして米政府を説得し、懸念払拭(ふっしょく)に腐心した。

 米国の動きに即応する日本の政策担当者の脳裏には、来年7月に発効から30年の期限を迎える日米原子力協定がある。米国は同協定に基づき、日本の再処理事業を認めてきた。ただし、使い道のない「余剰プルトニウム」を持たないことが大前提だ。日本の説明を受ける前、米政府当局者は取材に対し、東海村のプルトニウムが「余剰」となれば、協定の行方にも影響が出ると言明していた。

 日本政府はトランプ政権の理解を得て、来年以降も現協定をそのまま自動延長したい考えだ。

 しかし、もんじゅ廃炉に伴う問題は尽きない。まず、もんじゅなら年間0・7〜0・8トンのプルトニウムを消費できるが、常陽の目安は0・15トン前後。4トンを使い切るには、今後30年近く常陽を稼働し続けなければならない。

 さらに問題なのは、もんじゅや常陽から出てくる使用済み燃料の行き場がないことだ。日本政府関係者は「フランスにはかつて高速炉の使用済み燃料を再処理する施設があったが、今は廃止された。高速炉燃料を再処理できる場所は現在、世界のどこにもない」と語る。

 文部科学省はもんじゅの使用済み燃料を容器に入れて一時貯蔵する方針だが、地元は将来の県外搬出を求めている。核のごみの行き先が見通せない中、「最後は米国に引き取ってもらうしかない」との声も関係者から出始めている。(共同通信編集委員 太田昌克)

 常陽 茨城県大洗町にある実験炉。日本初の高速増殖炉として日本の自主技術で建設され、1977年4月に初臨界。運転試験を通じた技術の高度化や燃料の照射、高速炉実用化へ向けた革新技術の実証などを目的に、2007年まで運転された。積算運転時間は7万798時間。その成果は、高速増殖原型炉もんじゅの設計・建設などにも反映された。廃炉が決まったもんじゅ同様、原子力の研究開発を行う文部科学省所管の日本原子力研究開発機構が運営主体。原子力規制委員会の審査を経て、21年度末までの再稼働を目指している。


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