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隣府県連携に限界、国方針見えず 原発の行方・第8章(4)

  • 2013年11月6日
  • 16:08
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県庁コラージュ(福井・滋賀・京都)
県庁コラージュ(福井・滋賀・京都)

 7月改定の福井県原子力防災計画で、県外避難先となっている3県のうち兵庫、奈良県に逃げる県民は、京都府か滋賀県を必ず通過する。その際のルートや交通手段はどうするのか、放射性物質の付着を調べるスクリーニングはどこで行うのか。本県と京都、滋賀両府県との調整は難航している。

 福井、京都、滋賀、岐阜の4府県と原子力規制庁は昨年末に原子力防災に関する協議会を立ち上げた。しかし「隣府県だけで協議をしていても、まったく話が進まないのが現実」―。福井県危機対策・防災課の谷口竜哉参事は不満を隠さない。

 広域避難の在り方について事務レベルで調整を続けているが、国が基本方針を示していないため実効性のある避難計画が作れないというのが各府県共通の悩みだという。

 例えば、避難ルート。原発立地地域から奈良県に向かうには北陸自動車道、兵庫県には舞鶴若狭自動車道がメーンルートとなるのは必然だが、それすらも現時点では各府県の避難計画に正式には落とし込まれていない。道路管理者である国が、避難道であり、制圧道にもなる高速道をどう運用するのか明確な方針を示していないからだ。

 滋賀県の担当者は「これまでの協議の中で警察関係者から『警察庁が全体の防災対策の中で高速道の役割をどう考えているのか分からない。府県だけで決めてもらっても難しい』と指摘を受けたことがある」と明かす。大多数を逃がすバスや運転手の調達も単独では限界があり、各府県は「できる範囲」での計画策定を余儀なくされている。

 スクリーニング地点の選定も難題だ。福井県から奈良、兵庫に向かう場合、重点地域30キロ圏外はすでに県外。避難途中の滋賀、京都、もしくは避難先で実施することになる。ただ、滋賀県原子力防災室の入江建幸参事は「福井の避難を手伝いたいが、滋賀県民のスクリーニングもあり、本県のキャパシティーでは福井県の分まで対応できない」と話す。複数県民のスクリーニングをする場合、だれが責任を持ち、人員や資機材をどう調達するのか。入江参事は「福井、滋賀だけではらちが明かない問題」と表情を曇らせる。

 京都府防災・原子力安全課の粟津一雄課長(原子力防災担当)は「原発の安全対策はこれまで国が前面に立ってきたが、防災対策での広域的な指導はまったくなかった。福井も京都も滋賀も避難先も含め、国に主導的にやってもらわないと住民の安全を守ることはできない」と指摘する。

 国は9月の原子力防災会議で、自治体の避難計画策定を支援する方針をようやく決定した。原子力規制庁原子力防災課は「自治体の要望には可能な限り対応したいが、分野によっては本年度いっぱい検討が必要」という。「スピード感が重要」(福井県)とする現場との間にスケジュール感のずれも懸念される。


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