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元規制委島崎氏「地震想定に欠陥」 大飯原発差し止め控訴審

  • 2017年4月25日
  • 10:44
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島崎邦彦氏
島崎邦彦氏

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟控訴審の証人尋問が24日、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)であった。出廷した前原子力規制委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)は、大飯原発の基準地震動(耐震設計の目安とする揺れ)が過小評価され、地震想定には欠陥があるとした上で「(再稼働に向けた)必要な審査がまだ行われていない」と指摘した。新規制基準に基づく審査を指揮した元委員が、運転再開に“待った”をかける異例の展開となった。

 脱原発弁護団全国連絡会によると、原発運転差し止め訴訟で、現職・元職を含めて規制委の委員が証人尋問に立つのは初めて。

 島崎氏は、規制委が発足した2012年9月から2年間、委員長代理を務め、大飯原発の基準地震動の審査などを担当した。退任後、基準地震動を算出するのに使った計算式「入倉・三宅式」を検証し、過小評価となる可能性があることが分かったとして昨年6月、住民側が控訴審に陳述書を提出していた。

 証言台に立った島崎氏は、「入倉・三宅式」を用いた関電の基準地震動の評価は「過小評価になっている。実際に起こるよりも小さい揺れを予測することになる」と主張した。

 昨年の熊本地震の観測記録を例に挙げ、地震が起こる前に「入倉・三宅式」で算出した地震の規模(地震モーメント)は、実際よりも過小評価になると指摘。大飯原発の基準地震動策定には「大変な欠陥がある」と批判し、現状では運転再開させるべきではないとの見解を示した。

 弁護団などは閉廷後、金沢市内で会見。「島崎氏の証言で規制委の審査がいかにずさんで不十分なものだったかが明らかになった。裁判の場でしっかりと主張、立証を尽くし、徹底的に追及していく」と訴えた。

 関西電力は「詳細な調査に基づき、震源断層の長さ、幅などを保守的に評価している。基準地震動が過小になるとは考えられない。規制委も島崎氏の意見について何ら根拠がないとし、基準地震動を見直す必要はないと結論付けている」などとするコメントを出した。

 次回の第12回口頭弁論は7月5日午後2時から。第13回は11月20日と決めた。

 大飯3、4号機をめぐっては、一審の福井地裁(樋口英明裁判長)が14年5月、関電の地震対策に「構造的欠陥がある」として運転差し止めを命じ、関電などが控訴した。

 ■入倉・三宅の計算式 入倉孝次郎・京都大名誉教授らが提唱し、震源断層の面積から地震規模を求める計算式。震源断層の面積は、地表に現れる「断層長さ」と、割れて揺れを生じる硬い岩盤の厚さ「断層幅」を掛けて計算する。垂直に近い断層では幅が短くなるため、断層長さが同じでも面積が小さくなり、過小評価となる可能性が指摘されている。


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