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廃炉技術関電と研究 ニュークリアテクノロジー(美浜) 放射線防護服を開発

  • 2017年4月20日
  • 08:40
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ニュークリアテクノロジーが開発した原発作業用の放射線防護服(右)と子ども用防護服。「廃炉工事などで作業員の被ばく低減に役立つ」と語る佐倉社長(左)=福井県美浜町金山
ニュークリアテクノロジーが開発した原発作業用の放射線防護服(右)と子ども用防護服。「廃炉工事などで作業員の被ばく低減に役立つ」と語る佐倉社長(左)=福井県美浜町金山

 廃止措置計画が認可された美浜原発1、2号機(福井県美浜町)の廃炉工事に活用できる製品開発に向け、関西電力が共同研究相手の県内企業の一つに選んだのが、シール材製造販売のニュークリアテクノロジー(美浜町金山)だ。同社は放射線を遮る柔軟なシートや防護服を開発し、共同研究で線量の低減効果などを確認した。研究開発に熱心な佐倉俊治社長(72)は「廃炉ビジネスだけを狙ったものではないが、解体などを行う作業員の被ばく低減に役立つ」と自信をみせる。

 同社は2009年に設立し、配管やバルブなどの継ぎ目を埋めるパッキン、ガスケットの製造販売が軸。11年の東京電力福島第1原発事故後、「事故時に避難弱者を放射線から守る防護服がない」と実感した佐倉社長は、柔らかく重すぎない女性、子ども用の放射線防護服の研究開発を始めた。

 防護服の素材となるシートの開発では、放射線を遮る性質を持つ希少金属の一種タングステンと樹脂を混合したものを生地にコーティング。さらに立体加工して伸縮性や遮蔽(しゃへい)効果を高めた。このシートを基に作った女性、子ども用の防護服は、最大で放射線を4割カットできる性能を持つ。

 関電の美浜1、2号機の廃炉に伴う共同研究に昨年7月に応募、10月に他の県内3社とともに採択された。2月末までの研究期間で、同社の遮蔽シートは福島事故のような放射線が散乱する場でも効果を確認できたという。

 関電は「研究成果を取りまとめ中で、廃炉工事への導入について検討している」としている。

 佐倉社長らは遮蔽シートを使い、原発作業用の防護服も作製した。重さ8キロで、従来の防護服に比べ軽く作業性も良いという。「廃炉工事で放射線を浴びた配管、コンクリートを解体するときに、この防護服を着て作業できる。遮蔽シートをカーテンのように覆い作業場を確保する使い方もある」と強調する。

 同社は他にも、放射線の“見える化”を目指し、液体の色が変わる線量計の研究開発を大学などと進めている。

 佐倉社長は「廃炉ビジネスはあくまでターゲットの一つ。防護服のように、研究開発を続けるうちに他の用途で実用化できるケースが出てくる」と先を見据えている。


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