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シェールガス革命でエネ需給変化 原発の行方・第7章(9)

  • 2013年6月7日
  • 16:49
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国内のエネルギー供給の推移
国内のエネルギー供給の推移

 天然ガスの価格を押し下げ、エネルギー業界に活況をもたらしたアメリカの「シェールガス革命」。アメリカは2009年に世界最大の天然ガスの生産国へと躍進し、11年には世界で生産された約24・2億トンの天然ガスの2割を産出した。

 シェールガスは、頁岩(けつがん)と呼ばれる硬い岩盤の中に含まれる天然ガス。技術革新によって、掘削のコストが大幅に下がり商業化が可能になった。

 世界で採掘可能なシェールガスの埋蔵量は、約60年分といわれる従来の天然ガスの埋蔵量に匹敵するという。和光大経済経営学部の岩間剛一教授は「シェールガスなど非在来型天然ガスは相次いで確認され、埋蔵量がどんどん拡大している。米国地質調査所の推計では、在来型の天然ガスの5倍以上ある」と語る。

 「世界規模で見ると、日本が必要とする天然ガス量は十分。原発に取って代わる可能性を秘めている」。シェールガス革命によって、LNG(液化天然ガス)が原発の代替として現実的な選択肢になったと指摘した。

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 シェールガス革命は世界のエネルギー需給バランスに大きな影響を及ぼしている。米国向けだったカタールのLNGが行き場を失い欧州に流れ込んだことで、価格競争を招いた。これを受けて欧州にLNGを送ってきたロシアは欧州からの値下げ要求に直面し、価格交渉力を維持するためアジア市場の開拓を進めているのが現状だ。

 岩間教授によれば、カナダや中国、欧州でもシェールガスの開発が進められているという。掘削の際の環境汚染など課題はあるものの、今後は世界に普及していくとみる。

 アメリカのシェールガスは2017年にも日本に入ってくる見通しで、長期的には安価なLNG確保につながる可能性はある。「エネルギーの安全保障上、燃料費の安い石炭火力や安全が確認された原発を一定割合残すことは意味があるが、将来的にはLNGは価格的にも原子力を代替できる」と岩間教授は強調する。

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 日本国内では福島第1原発事故以降、原発が停止し、火力発電が稼働率を伸ばし“主役”に躍り出た。電源構成でみると火力発電が震災前の6割から9割に拡大。福島の事故以降は「火力発電が原子力を補っている」(経済産業省資源エネルギー庁の担当者)状態が続く。電源全体に占めるLNG火力発電の比率は3割から5割に増えた。

 日本のLNGの輸入量をみると、2010年の7001万トンから12年は8718万トンに増加。輸入価格も原油価格と連動していることから、原油高騰を受けて上昇している。LNGの消費量の増加と価格高騰が相まって電力会社の燃料調達コストはかさんでいる。

 12年度でみると電力10社の同コストは合計7・1兆円で福島の事故前の倍近くになった。原発が停止したままであれば、13年度は円安の影響も加わりさらに重くのしかかるのは必至だ。資源エネ庁は、LNG輸入価格の引き下げが今後の日本のエネルギー政策の要としている。

 ただ、資源エネ庁の担当者は「将来的に原子力をLNGで代替する方針ではない」とも説明する。エネルギー基本計画の策定に向けた総合資源エネルギー調査会総合部会の議論を見守っている状況という。LNG価格に連動し、石炭価格が下落することなども見据え「一番いいエネルギーのベストミックスを目指す必要がある」としている。

非在来型天然ガス

 従来と異なる方法でガス田以外から採掘される天然ガス。シェールガス、コールベッドメタン、メタンハイドレートなどがある。今後、商業生産が期待されるガスも含まれる。埋蔵量が大きいメタンハイドレートは、日本近海に国内の天然ガス消費量の約100年分が存在するとの調査結果もある。近年の採掘技術の進歩や原油価格高騰を受け、開発コストが高かったガスでも採算が取れるようになり、北米を中心に生産が拡大した。日本の商社なども開発に参加している。


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