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LNG火力、余熱使い熱効率高く 原発の行方・第7章(8)

  • 2013年6月6日
  • 16:52
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コンバインドサイクルの仕組み
コンバインドサイクルの仕組み

 原発の長期停止による電力不足を補ってきたのは、普及が思うように進んでいない再生可能エネルギーではなく、火力発電だ。中核は天然ガス火力で、その中でも熱効率の高いコンバインドサイクル発電方式に期待が集まっている。

 最大の特長は発電効率の高さ。まず天然ガスを燃やした高温高圧の燃焼ガスでガスタービンを回す。ジェット機のエンジンと同じ仕組みだ。さらに排ガスの余熱を利用して蒸気タービンも回して発電する。熱効率は50%台後半で、従来型火力の約40%、原子力の30%台後半を大きく上回っている。

 温排水量を減らすことができ、1キロワット時当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は石炭火力の半分、石油火力の6割超程度と環境面でも優れている。

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 大阪湾に面した約76万平方メートルという広大な敷地に天然ガス火力の関西電力の堺港発電所(大阪府堺市)はある。

 東京五輪が開催された1964年に初号機が営業運転を始め、7年後には8基(出力計200万キロワット)に増えた。その後、2009年から翌年にかけてコンバインドサイクル方式への設備更新を進め、プラントは5基に減ったが出力は計200万キロワットを維持している。

 燃焼ガスの温度は1500度に達し、600度の余熱で蒸気を作り出している。熱効率は4割アップし、世界最高水準の約58%を実現。増田裕司所長は「ガスタービンが3分の2のパワーを担い、残り3分の1を蒸気タービンから得ている」と説明する。

 燃料の液化天然ガス(LNG)は隣接する受け入れ基地「堺LNGセンター」で気化させ、延長約3・5キロのパイプラインを通して供給。LNGは豪州やインドネシア、カタールなどから購入している。

 ガスタービン発電の熱効率を高めることができたのは、燃焼ガスの高温に耐えうる技術の開発などが進んだためだ。関電では60年代までは「商売にならないから」(増田所長)あくまで非常用電源として保有していたが、70年代に入ると、ピーク用電源として使うようになった。

 関電姫路第2発電所(兵庫県姫路市)では今年10月から15年6月にかけて、最新鋭の高効率ガスコンバインドサイクル発電方式に順次更新する。熱効率は約60%を誇り、出力は6基で約290万キロワット。1、2号機の営業運転は前倒しで始め、供給力の安定化を図る方針だ。

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 火力は従来、電気の使用量が多い時間帯に動かして、需要の変動に柔軟に対応するのが役割。起動時間が短く即応性があるためで、堺港発電所もフル出力までの時間は長くて70分という。

 しかしほとんどの原発が長期停止している現在、火力の活用法は変化し、原子力に代わるベース電源としてフル稼働している。ただ定期検査を先送りしたり、トラブルで停止しても1日以内に復旧させるなど、苦慮しているのが実態だ。

 火力をベース電源として使う技術的な問題点はないと増田所長は言う。その一方で、燃料費が増大する中「どのように安い燃料を調達するかが問題。そこが難しい」とも語る。

 関電火力センター総務グループの清水定義チーフマネジャーは「原子力が重要な電源であることに変わりはないが、火力のウエートが高くなっている中で、安い電気をつくるため、高効率の火力に転換していく必要はある」と説明した。

関西電力の火力発電

 35基あり、多奈川第2(大阪府)と宮津エネルギー研究所(京都府)の計4基が長期停止している。燃料は天然ガス17基、重油・原油12基、石炭2基。原発の長期停止を補ってフル稼働している影響で、計画外停止は2011年度の93件から12年度は207件に増加した。一方、点検の仕方を工夫し、停止が1日を超えるトラブルは26件から11件に減った。


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