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停電回避へ企業の節電が効果大 原発の行方・第7章(12)

  • 2013年6月12日
  • 17:06
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設備が稼働していない週末は電源を切るよう促す張り紙=2013年6月、越前市のアイシン・エィ・ダブリュ工業
設備が稼働していない週末は電源を切るよう促す張り紙=2013年6月、越前市のアイシン・エィ・ダブリュ工業

 東京電力福島第1原発の事故後、原発の長期停止で電力需給がひっ迫した夏や冬に、停電回避へ大きな効果を発揮したのは企業の節電努力だった。

 関西電力管内では2012年夏、福島事故前の10年と比較して11・9%(368万キロワット)の節電実績を挙げた。産業用は平均を上回り、関電は「ピークシフトや休日を振り替えた効果が大きい」と分析した。

 北陸電力は、11年は数値目標を設けず、12年は5%の目標を設定し企業や家庭に節電を要請。管内ではピークカットなどに取り組んだ企業も目立った。福井県越前市に本社のある自動車部品製造のアイシン・エィ・ダブリュ工業は同年7月から9月まで土日操業を実施し、木、金曜日を振り替え休日にした。

 12年夏には機械の動力源となる圧縮空気をつくる電動コンプレッサーの一部を止め、軽油式コンプレッサーをレンタルすることで1千キロワット分を節電した。圧縮空気が漏れている配管を修復し効率をよくしたり、生産設備が稼働していない時間帯の電源停止など細かな取り組みも積み上げた。

 目標の5%は達成したが「コンプレッサーのレンタル費や燃料費など持ち出しは大きかった」(沢崎久雄環境・施設部長)。身を切りながらの節電だったのは間違いない。

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 国内の産業界は1970年代に2度の石油危機を経験したことで、80年代には一気に省エネルギー化が進んだ。73年度から2010年度までの部門別エネルギー消費動向をみると、家庭、業務、運輸部門が倍増したのに対し、産業部門はほぼ横ばい。過去の省エネ努力を理由に「乾いたぞうきんを絞っても、今以上の削減は難しい」というのが産業界の主張だ。

 しかし橘川武郎一橋大大学院教授(エネルギー産業論)は「ぞうきんも長い間、置いておくと湿ってくる。まだ余地はある」との見方を示す。工場で使う照明の発光ダイオード(LED)への交換や、高効率モーターへの置き換えなどがポイントになるという。

 アイシン・エィ・ダブリュ工業でも工場で使っている水銀灯は全てLEDにし、街灯も来年いっぱいで切り替える。部品についた油を落とす数百台の洗浄機では湯温を下げる工夫を凝らす。

 「節電に関して社員の意識付けはできてきている」と夏目好文総務部副部長。200以上ある各業務ラインごとに改善案を競い、いい案は他のラインでも取り入れている。

 福井商工会議所が昨年5月に行ったアンケート調査では、LED照明や消費電力の小さい空調機器への取り換えなど、長期的節電につながる設備を導入する企業が前年の調査に比べ大幅に増え、意識の高まりをうかがわせた。

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 電力会社も企業の節電が進むような取り組みを試みている。

 関電は12年7月2日から2カ月間、企業の節電分を入札で買い取るネガワット取引を導入した。契約電力が500キロワット以上の大口利用者に節電を要請し、前週の同じ曜日の平均電力から節電した分を「発電」とみなし、対価を支払う仕組み。大飯原発3、4号機が再稼働したこともあって、同年は利用実績がなかったが、今夏も需給ひっ迫に備え実施する方針だ。

 とはいえ産業界のさらなる節電は難しくなっている中で、橘川教授は「家庭用はまだ節電できる。冷房の設定温度で使用量は大きく変わる」とみる。その上で、電気料金の値上げにより、節電の動機は停電回避から経費節減に変わってきているとも話した。


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