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節電の新仕組み「市民節電所」 原発の行方・第7章(13)

  • 2013年6月13日
  • 17:16
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市民共同節電所の構想について語る由田さん。後ろにあるのは太陽熱を利用する調理器具=2013年5月、福井市内
市民共同節電所の構想について語る由田さん。後ろにあるのは太陽熱を利用する調理器具=2013年5月、福井市内

 「市民共同節電所」。この耳慣れない言葉は、環境カウンセラーの由田昭治さん(71)=福井県福井市=が提唱する節電の新たな試みだ。省エネへの投資や取り組みを進め、電気を無駄に使わない施設を節電所と位置付けるのが基本の考え方。「節約した分の電気を生み出すという意味では発電所と同じ」と強調する。

 東日本大震災直後、電力不足による大規模停電への危機感が、節電意識の広がりにつながった。ただ、大規模集中型の発電で大量消費する社会システムでは、どうしても節電より発電を重視しがちになる。

 由田さんは「節電はエネルギー利用を考える上で重要だが、強く意識しないとできない。個人の意識に左右される節電を、節電所の存在によってもっと一般的なものにできる可能性がある」と構想の実現に期待を込める。

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 市民共同節電所では、施設や工場などを節電所と位置付け、市民が出資して複数年かけ省エネ設備の投資や指導を行う。省エネ効果で生まれる「利益」(節約費)を配当などに回して出資者と施設所有者で分け合う仕組みだ。

 市民出資は「市民共同発電所」からヒントを得た。由田さんは「ふくい市民共同発電所を作る会」に所属。同会は共同出資で住宅の屋根などに太陽光発電を設置して売電収益を分配しており、全国でも最近注目を集めている手法だ。

 節電所は配当だけを目的とせずに、さまざまな展開が考えられる。例えば地域の幼稚園や保育園、学校をターゲットにして保護者から出資を募り、省エネ策を導入して子どもの卒業時に返済する方法も可能という。

 ただ、実現に向け課題もある。省エネ策を導入しても思ったような効果が得られない場合、施設所有者に効果分を保証する必要があるからだ。この点は「専門家に協力を求めてクリアしたい」(由田さん)とする。

 現在は民間や行政に働き掛けており、本年度中に節電所を具体化させたい考え。由田さんは「地域の小さな単位で市民共同節電所ができてくれば、地域経済の活性化にもつながる」と力説する。

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 一方、福井県内の主婦層を中心に家庭で取り組む節電手法が広がっている。各家庭が電力会社と結んでいる契約アンペアを引き下げる「ダウンアンペア」という方法だ。

 契約アンペアは家庭で一度に使用できる電気の量。消費電力の大きな電子レンジや炊飯器、アイロンといった家電を同時に使わないよう工夫すれば契約アンペアを引き下げられ、効果的な節電につながるという発想だ。

 一般的な家庭では50〜60アンペアの契約が多いが、10アンペア分引き下げると、北陸電力管内では基本料金が月231円安くなる。普通の家庭で少し工夫するだけで30アンペアまでは落とせるという。

 「電気使用量を大枠でつかみ、意識して生活スタイルを変えていくのがポイント」と話すのは、ダウンアンペア作戦コンソーシアムふくい代表で主婦の古石暁子さん(42)=福井市。同会はダウンアンペア普及のため、NPO法人エコプランふくいなどが一昨年6月に立ち上げた。初年度約100人、昨年度は夏と冬それぞれ約80人がモニターとして参加。電気料金を4割超削減した参加者も複数いたという。本年度は3人一組のコンテスト形式で挑戦してもらう予定だ。

 古石代表は「契約アンペアという電力会社との接点を下げれば、無駄な電気はいらないという意思表示になる。みんなが下げていけば、電力会社も電力供給を落とせるはず」とアピールする。家庭をベースに節電社会を目指している。


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