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コージェネ導入の動き拡大 原発の行方・第7章(14)

  • 2013年6月14日
  • 17:31
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イオンモール大阪ドームシティの屋上に設置されているガスコージェネレーションシステム=2013年5月、大阪市西区
イオンモール大阪ドームシティの屋上に設置されているガスコージェネレーションシステム=2013年5月、大阪市西区

 東日本大震災以降、「コージェネレーションシステム」(コージェネ)に注目が集まっている。一つのエネルギーから電気と熱など、二つ以上のエネルギーを同時に取り出すシステム。「熱電併給」と訳される。省エネや二酸化炭素(CO2)の削減だけでなく、災害時を想定した分散型電源として大きく期待されている。

 福井県LPガス協会の藤野拓三会長=福井市=は自宅裏に、家庭用コージェネ「エネファーム」を設置している。自宅に引いているガスで発電し、その時に発生する熱でお湯もつくる装置。発電で自宅の電気使用量の6〜7割をまかない、貯湯槽にためた60度のお湯200リットルは風呂や床暖房に利用している。

 「コージェネの魅力はエネルギーの利用効率が良いこと」(藤野会長)。原発などの大規模発電所は大量の熱が発生するが、熱の多くは温水などとして捨てられている。発電所から遠く離れた消費地までの「送電ロス」もあり、家庭などに届くのは燃料エネルギーの40%程度。これに対しコージェネは、電気をつくる場所と使う場所が同じで熱も有効利用するため、燃料エネルギーの70〜80%が利用可能だ。

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 エネルギーの利用効率に優れたコージェネだが、導入には初期費用や設置スペースの確保などがネックになっていた。ただ、震災などのリスクへ関心が高くなっていることに加え、国の補助制度が設けられたことでハードルは低くなりつつある。

 藤野会長は「東日本大震災後、エネルギーを自前で賄う『創エネ』意識が国民の間で高まっている」と強調する。

 福井県内でもコージェネの認知や導入は広がっている。同協会によると、県内のエネファームの設置数(同協会の販売数)は年々増えており2012年度末で36台。同協会は本年度に30台の設置を目指している。

 分散型電源という観点で、企業の間でもコージェネを導入する動きは拡大中だ。

 大手スーパーのイオンは20年度までに全国の大型店舗約100店にガスコージェネ装置を導入する予定。同社が5月31日に大阪市西区にオープンさせた複合商業施設「イオンモール大阪ドームシティ」は、「防災対応店舗」の1号店と位置付けた。施設屋上に815キロワットのガスコージェネ装置2基を設置。災害などによる停電時でも、照明や冷蔵・冷凍ケースが使えるため、数週間は営業が可能となる。

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 コージェネにも発生した熱をためることはできないという課題はある。慶応義塾大理工学部の佐藤春樹教授(熱力学)は「熱の需要は冷暖房や給湯などに限られるため、熱をほかにどう活用するかが鍵だ」と指摘する。

 先のイオンモール大阪ドームシティはその点を、大阪ガスと共同で解決した。同店舗がコージェネでつくる熱は店舗内の空調などに利用するとともに、使い切れなかった熱を近くに立地する大阪ガスのエネルギープラントに有料で融通し、そこから周辺の施設に送るような仕組みにした。イオンの広報担当者は「熱融通が可能になり、地域全体の省エネや電力確保に貢献できるようになった」と意義を語る。

 佐藤教授は「熱融通や電力融通によってコージェネの有効性が最大化できる」と力を込める。日本エネルギー経済研究所によると、各国の発電に占めるコージェネ比率(08年)はデンマークが46%と最も高く、日本はわずか2%にとどまる。ただ政府は見直しを進めているエネルギー基本計画の中で、30年にはコージェネが占める発電比率を15%に上げる目標を掲げている。コージェネ浸透への期待の大きさがうかがえる数字でもある。


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