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「賢い家」快適節電、消費IT管理 原発の行方・第7章(15)

  • 2013年6月18日
  • 17:40
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モデル地区に建つスマートハウス。リビングのテレビ画面に発電量、電力消費量などが映し出される=2013年6月、愛知県豊田市
モデル地区に建つスマートハウス。リビングのテレビ画面に発電量、電力消費量などが映し出される=2013年6月、愛知県豊田市

 オール電化住宅の電気料金が4701円だったのに対し、太陽光パネルによる売電収入は1万3524円―。夢の一戸建てを新築した福井県敦賀市の50代男性は、電力会社から初めて届いた5月分の明細に驚いた。共働きの妻と長男の3人暮らし。電気料金は以前の集合住宅よりも3千〜4千円安い。しかも売電収入との差し引きで約9千円のプラス。「特に省エネを意識していたわけではないのに」。男性の顔が自然とほころぶ。

 購入した家は住宅メーカーが近年販売に力を入れる「スマートハウス」。太陽光パネルや燃料電池の「創エネ機器」と、蓄電池やプラグインハイブリッド車(PHV)といった「畜エネ機器」を備え、それらをIT技術で結ぶ「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」で管理する。停電時には一時的に電力の自給自足も可能。家でつくってためた電気を家自身が制御する「賢い(スマートな)家」だ。

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 昼間に太陽光パネルによる余剰電力を売電し、安い深夜電力を蓄電して電気料金を抑えるようHEMSが管理している。リビングのタブレット型端末に「発電量」「蓄電池の充電量」「購入電力量」などのグラフが示され、家庭内の電力が「見える化」されている。

 男性は「これから夏や冬に電気の使用量が増え、購入量が売電量を上回るのが目に見えて分かったら自然と節電するだろう」と話す。「見える化」は節電効果が分かりやすく、省エネ行動につながる点も期待されている。

 この家を販売した大和ハウス工業は2011年秋にスマートハウスの販売を開始。同社福井支店によると、12年度は福井県内に7棟が完成した。

 一般的に新築住宅に太陽光パネル、蓄電池、HEMSを加えると300万円程度のコスト高とされるが、設置に対して国や自治体の補助金がある場合が多い。同社担当者は「一定のコストはかかるが、顧客の関心は高い。ハイブリッドカーが市場に出始めたときの空気感に似ている。まだまだ需要は増える」と期待は高い。

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 愛知県豊田市にはスマートハウスの街がある。同市は10年に経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選ばれ、産学官の計48団体による推進協議会の下で全67戸のスマートハウスタウンを分譲販売した。まちを歩くと、目に入る屋根すべてに太陽光パネル、玄関先には充電中のPHVが並ぶ。

 昨年度からこのうち約3分の1の住宅を独自のシステムで結び、コントロールセンターが天気や住民の行動予想を元に、地域全体の発電量と電力需要を予想して各家庭に「行動アドバイス」を送っている。

 電気が不足しそうなときは各家庭に置かれた専用フォトフレームの画面が赤、十分足りているときは青に光るという具合だ。

 青のときに食洗機や掃除機を使い、逆に赤のときは電気を消したりすれば家庭ごとにポイントがたまる。ポイントは最終的に電子マネーに交換できるため、住民のやる気をうながす。

 同市環境モデル都市推進課は「地域全体のピークシフトにつながっている。将来的には地域のシステムと各家庭のHEMSを連動させ、より具体的な行動アドバイスを出して地域の電力需要の平準化につなげたい」と手応えを感じている。

 早稲田大教授で同大先進グリッド技術研究所長の林泰弘氏=福井市出身=は「HEMSは快適性、利便性を損なわない節電を可能にする」と説明する。メーカーの異なる省エネ家電やPHVまでを自動で一括管理する次世代のHEMSの開発に取り組んでおり、成功すればさらなるスマートハウスの普及につながるとみている。


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