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高浜原発訴訟原告団の思い様々 差し止め波紋再び(中)

  • 2015年4月17日
  • 19:01
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高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを認めた仮処分決定後、支持者らを前に会見する申立人ら=2015年4月14日、福井市の福井県国際交流会館
高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを認めた仮処分決定後、支持者らを前に会見する申立人ら=2015年4月14日、福井市の福井県国際交流会館

 原発の住民訴訟で敗訴が続いた歴史、判決が出るまでかかる長い月日、損害賠償の負担リスク…。それでも「自分たちにも(東京電力福島第1原発)事故を招いた責任がある」「自分たち、子どもたちの命を守るため」と、住民たちはさまざまな思いで訴訟に参加する。

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを申し立てた仮処分。福井地裁が再稼働を認めなかった決定は各地の原発事故の原告団にとって、運動を後押しする希望となった。

 決定が出た2015年4月14日。「福島の皆さん、このニュースが伝わりますでしょうか。喜び合いましょう」。勝利に沸く群衆の中で、高浜仮処分の申立人事務局長の松田正さん(65)=坂井市=は声高に語った。

 松田さんは福島事故後、南相馬市に支援物資を届けた。障害者らが避難できず苦しむ状況を目の当たりにし「福島の状況をつくった原発を止めなければ」と誓い、仮処分申し立てに踏み切った。今後も異議審などが続くが「社会が変わるまで頑張っていくだけ」と力を込める。

 「原発に何となく反対だった」という森永明子さん(43)=鹿児島県薩摩川内市=は2000年、結婚を機に夫の実家がある同市に引っ越した。そんな中、福島事故が起きた。「はっきりと原発反対の声を上げなかった自分にも責任がある。自分ができることをやるだけ」。

12年5月、九州電力川内原発1、2号機の再稼働差し止め訴訟の原告団長に就き、差し止め仮処分の申立人代表も務める。

 仮処分で九電側が損害賠償を請求する可能性もあり、約20人の申立人のうち半数近くが申し立てを取り下げた。小4と中2の子どもを持つ森永さんも一時考えたが「子どもたちの命を守るため。誰かが残らなければ何も変わらない」

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 福島事故で、原発の「安全神話」は崩れ、国民の不安は広がった。事故後、原発訴訟は全国で展開され、脱原発弁護団全国連絡会(事務局・東京都)によると26の民事訴訟の提訴や仮処分申し立てがあり、現在21件が係争中だ。

 原発訴訟をめぐっては、1973年に四国電力伊方原発1号機(愛媛県)の設置許可取り消しを求め住民らが初めて提訴。以来、住民が勝訴したのは高速増殖炉もんじゅ(敦賀市)の設置許可を無効とした2003年1月の名古屋高裁金沢支部判決など3件にとどまり、確定した例は一度もない。

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 名古屋高裁金沢支部で係争中の大飯原発3、4号機(おおい町)の再稼働差し止め訴訟の原告団長、中嶌哲演さん(73)=小浜市=も高浜仮処分での「勝利」を、勝訴につなげたいと期待する。

 しかし訴訟は脱原発の機運を高めるきっかけの一つの手段にすぎないと強調する。関電の経営難には理解を示した上で「脱原発に向かう姿勢を鮮明にし、必要な負担をしっかり説明すれば、国民の理解は得られるはず」と関電に注文する。

 原発の反対運動について中嶌さんは「裁判だけに頼ってはいけない」と指摘。「訴訟に勝ったからと言って、原子力村を断罪して終わりでは駄目だ。経済的な問題も含めて脱原発後の社会を国民全体で考える流れにもっていくことが必要」と訴えた。

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 福井地裁は2015年4月14日、高浜原発3、4号(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じる仮処分決定を出した。昨年5月の大飯原発3、4号機に続き、再び原発再稼働を認めなかった。今後の影響を探る。


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