
男衆に次々とおかゆを盛られる女性たち=18日夜、福井県勝山市遅羽町北山の集会所
男衆が女性に大量のおかゆを振る舞う奇習「観音さまのおすすめ」が18日夜、福井県勝山市遅羽町北山の集会所で行われた。平らげる間もなく次々に茶わんにおかゆが盛られ、女性たちの悲鳴と笑い声が響いた。
江戸時代から続くとされる伝統行事で、市無形民俗文化財に指定されている。女性の日ごろの労をねぎらう意味がある。
小学生がこの日の夕方、各家を回って約7・5キロの米を集め、男衆が大釜で炊いておかゆを用意した。午後8時すぎ、集会所に集まった女性20人余りの前に男衆が現れ「観音さんのおーすすめーん、めーん」とはやしながら、茶わんからあふれるまで熱々のおかゆを入れた。
女性たちは「ちょっと待って」「もうやめてー」と体を背けるも男衆はお構いなしで足していき、“おかゆ攻め”は30分ほど続いた。斎藤佐智雄区長(61)は「年貢に出して白米が貴重だったころからの行事。みんな楽しみにしている、かな」と笑顔だった。