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高浜原発仮処分、司法流れどこへ 差し止め波紋再び(上)

  • 2015年4月16日
  • 18:47
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高浜原発3、4号機再稼働差し止め仮処分の決定通知を前に、横断幕を掲げ行進する住民側=2015年4月14日、福井市の福井地裁前
高浜原発3、4号機再稼働差し止め仮処分の決定通知を前に、横断幕を掲げ行進する住民側=2015年4月14日、福井県福井市の福井地裁前

 福井地裁は2015年4月14日、高浜原発3、4号(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じる仮処分決定を出した。昨年5月の大飯原発3、4号機に続き、再び原発再稼働を認めなかった。今後の影響を探る。

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 「住民の人格権を守るという司法の本懐を果たした輝かしい日である」―。関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを命じた仮処分決定で、住民側は声明を出し「完全勝利」と沸いた。司法が現実に再稼働を止めた歴史的な一歩として、日本の脱原発を前進させると力を込めた。

 東京電力福島第1原発事故以前の原発訴訟は、専門性について行政を尊重する判断が多かった。事故後に住民側勝訴となった昨年5月の大飯原発3、4号機(同県おおい町)の運転差し止めを認めた「大飯判決」と今回の「高浜決定」は、ともに同じ裁判長が務めた。今回の決定はある程度予想されていただけに、司法界が脱原発に向かうかは今後の訴訟の行方を注視する必要がある。

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 高浜2基は原子力規制委員会による原発の安全審査の指針である新規制基準に事実上合格していた。高浜決定は新規制基準を「緩やかにすぎ、合理性に欠く」と断じ、規制委の審査そのものを根底から否定した。

 元裁判官で最高裁調査官も務めた瀬木比呂志・明治大法科大学院教授(民事訴訟法)は、新規制基準を批判した点を「思い切った判断。(ほかの原発訴訟に)一定の影響はあるだろう」とみる。

 一方で高浜決定が司法の流れをつくるかは早計に判断できないとし、「関電が異議を申し立てれば、異議審は違う裁判官が担当する。そこの判断が鍵となる」と指摘。各訴訟は個々の裁判官が判断するため、すぐに全体的な流れにはならないとの見方だ。

 大飯判決後に出た高浜、大飯4基の再稼働差し止めを求めた仮処分で、大津地裁は再稼働は差し迫っていないとの理由で却下、原発の安全性について判断は避けた。

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 福島事故以前に住民側が勝訴した判決は2例。その一つである北陸電力志賀原発2号機の運転差し止めを命じた判決(2006年)を出した元金沢地裁裁判長で、住民側弁護団の井戸謙一弁護士(61)は「全国の裁判官が福井地裁の判断に注目していたはず」と話す。

 これまで住民側が敗訴した訴訟の歴史に対し「司法が厳しくチェックしていれば、福島の事故が起きることはなかったという国民の批判があった」とした上で「同じような思いを持つ裁判官もいる。この流れが広がっていくことを期待したい」とする。

 22日には鹿児島地裁が九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働差し止め仮処分の判断を出す。井戸弁護士は「川内原発でも差し止め決定が出れば(脱原発の流れは)確定的になる」と見通す。

 関電側は近く異議を申し立てる方針。異議審や、鹿児島地裁の仮処分決定での判断が今後の流れを占う試金石になる。


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