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福島の事故炉、実態は謎のまま 燃料溶融、ロボ調査も難航

  • 2017年3月11日
  • 09:03
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東日本大震災から6年となる東京電力福島第1原発2号機(中央)=2月25日(共同通信ヘリから)
東日本大震災から6年となる東京電力福島第1原発2号機(中央)=2月25日(共同通信ヘリから)

 東京電力福島第1原発事故から6年。原子炉直下の惨状が初めて映像で捉えられ、史上最悪の原子力災害の実態が徐々に明らかになってきた。極めて高い放射線量、溶けた機器、正体不明の堆積物…。過酷な環境が調査を阻む。汚染水も増え続け、抜本的な解決には遠い。事故から最長40年とされる廃炉への険しい道は、まだ入り口にすぎない。

 東京電力は2月、福島第1原発2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の実態把握を目指し、原子炉格納容器内にカメラや線量計を搭載したサソリ型の自走式ロボットを初めて投入した。1月下旬からの事前調査で内部の撮影に成功したものの、ロボットは圧力容器直下の作業用足場にたどり着けず本格調査は失敗。炉心溶融を起こした原発の想定を超える過酷な状況が明らかになってきた。

 伸縮式のパイプに取り付けたカメラを格納容器に挿し入れた事前調査では、鉄製の作業用足場が大きくゆがみ、1メートル四方の穴や複数の脱落箇所があるのを初めて確認。デブリの高熱で損傷した可能性が高く、足場や周辺構造物には広範囲にデブリの可能性がある堆積物がこびりついていた。

 圧力容器直下につながる機器交換用レールの上にも、ケーブルの被覆などが溶けたとみられる堆積物が見つかり、堆積物除去用ロボットが高圧で水を噴射して一部は除去できたが、圧力容器に近い奥側は、固まっていて剥がれなかった。

 レール上では毎時650シーベルトという極めて高い空間放射線量が推定され、累積千シーベルトまで耐えられるロボットのカメラが2時間で故障する事態に。その後の付近の実測値は毎時210シーベルトだった。

 本格調査として2月中旬にサソリ型ロボットを投入したものの、レール上の堆積物を越えられず足場には到達できなかった。走行用ベルトに堆積物がはさまって動かなくなるトラブルも発生。遠隔操作用ケーブルを切断し、格納容器内に放置したまま調査を終えた。

 デブリ取り出しの実現には、具体的な位置やどの程度の範囲に広がっているかという分布状況、性質を把握することが不可欠だ。政府と東電は今夏ごろをめどに各号機の取り出し手順などを絞り込む。2018年度前半には、いずれかの号機で具体的な取り出し工法を確定、21年中に取り出し作業を始める目標を掲げており、実態にどれだけ迫れるかが今後の方針や計画の精度に直結する。

 福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は6年間の取り組みを「ようやく必要な装備が分かり、登山口まで来た」と表現。2号機調査は「1回で全てが分かるほど甘くない。何度も挑戦しないと答えは出ない」と振り返り、再調査を急ぐ考えを示した。

 1号機では15年4月に自走式ロボットで1階部分の足場を調査。月内には、カメラや線量計をつり下げられる改良ロボットで、地下階の水の中に沈んでいるとみられるデブリの初確認を目指す。3号機の調査に向けては水中ロボットの開発を進めているが、調査実施のめどは立っていない。

 東京電力福島第1原発事故 2011年3月11日の東日本大震災による地震と津波で、福島第1原発の原子炉6基のうち1〜5号機で全交流電源を喪失し、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却ができなくなった。1〜3号機で炉心溶融が起き、1、3、4号機の原子炉建屋が水素爆発した。東電は大気中に放出された放射性物質の量が11年3月だけで90万テラベクレル(テラは1兆)に上ると試算。事故の深刻度は国際評価尺度(INES)でチェルノブイリ原発事故と同じ史上最悪の「レベル7」とされた。


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