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太陽光発電、高性能化進む 原発の行方・第7章(2)

  • 2013年5月29日
  • 15:56
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大同特殊鋼などが研究を進める集光型太陽光発電装置。発電効率は30%をうかがう水準になった=2013年4月24日、愛知県常滑市
大同特殊鋼などが研究を進める集光型太陽光発電装置。発電効率は30%をうかがう水準になった=2013年4月24日、愛知県常滑市

 16・5センチ四方のプラスチック製凸レンズの中にあるのは、わずか7ミリ四方の太陽光発電素子。レンズで光を集め、エネルギーを収束させる「集光型太陽光発電」装置の実証実験が、中部国際空港の対岸、愛知県常滑市の「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」でこの3月まで4年間行われた。

 約25平方メートルの装置には凸レンズ875枚が並び、電気を起こす部分の面積は一般的な結晶シリコン型の550分の1。実験では、面積当たりの発電量はシリコン型の2倍という結果が出た。この技術は、2011年から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とEUの初の共同技術開発プロジェクトとなり、現在も研究が進められている。

 装置のシステム部門を担当する大同特殊鋼(本社名古屋市)で研究に携わる荒木建次・ソーラー室技術企画次長は「太陽光エネルギーの50%を電気として使える日はいずれ来る」と自信を持つ。

 太陽光発電パネルのエネルギー変換効率(発電効率)をみると、研究レベルでの最高値が「多接合型」と呼ばれる素子を使った集光型発電で44・0%。荒木次長によると数字は年1ポイントずつ上がっており、このペースで技術革新が進めば50%という数字は実用レベルでも遠くない未来に達成可能という。

 装置は全国約30カ所で稼働している。発電効率も4年で8ポイントほど上昇、現在では30%をうかがう水準になった。シリコン型の理論上の発電効率限界である29%に既に並んでいる。

  ■  ■  ■

 資源エネルギー庁によると、余剰電力買い取り制度や固定価格買い取り制度などで認定を受けた太陽光発電設備は、今年2月末時点で計約1750万キロワット(運転開始前含む)になった。このうち7割近くが固定価格買い取り制度が始まった昨年7月以降の申請。震災後一気に普及した形だが、その土台となる研究は第1次オイルショック後の1970年代から行われている。研究者は「今、太陽光発電が伸びているのは、40年の技術のたまもの」と口をそろえる。

 現在の研究の目標の一つは、2050年の1キロワット時当たりの発電コストを、現状の数十円から7円未満に下げること。これを達成するためのNEDOのプロジェクトの一つ「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」は、20年までの短期的な目標として太陽光発電の国内出力を2800万キロワットに増やすための技術革新を担っている。14年度までの5年間で282億5千万円の国費投入が予定され、国内約100機関が参加する大プロジェクトだ。

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 プロジェクトリーダーを務める豊田工大の山口真史教授は、太陽光発電は「集光型、結晶シリコン、薄膜系の3本柱で普及する」とみる。

 発電効率で最先端を行く集光型は希少金属を使うため、コスト面の観点から電力会社などの大規模発電所に向くという。シリコンは発電効率こそ集光型に及ばないが、安価で安定的に生産できるため、住宅の屋根など一般向け。薄膜系は発電量は小さいものの、装置を薄くできるため扱いやすく、オフィスのカーテンを発電装置とするような使い方が考えられるという。

 ただ、山口教授は「太陽光発電が普及したとしても、現状では総出力の1割が限界」とも話す。太陽光発電は日光の当たり具合で出力が変動し、電力に占める割合が増えるほど、天候による停電リスクが大きくなる。山口教授は「太陽光発電がエネルギーの主役になるには、蓄電技術の進歩やスマートグリッド(次世代送電網)の整備が欠かせない」と指摘する。


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