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核廃棄物処理の道筋、日本どうする 廃炉先進地の今(8)

  • 2014年8月22日
  • 18:37
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廃炉時代が目の前に迫る日本において「早期に廃棄物処理の道筋を付けることが重要」と語る林道氏=2014年8月12日、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構
廃炉時代が目の前に迫る日本において「早期に廃棄物処理の道筋を付けることが重要」と語る林道氏=2014年8月12日、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構

 7月下旬に「廃炉先進地」のスペイン、ドイツ、フランス、イギリスの欧州4カ国を視察した日本技術者連盟の廃炉実態調査団。調査団長を務めた日本原子力研究開発機構バックエンド研究開発部門の林道寛氏は、20年近くにわたり廃炉研究に取り組んできた。今回の視察を踏まえ、廃炉時代が迫る日本で、早期に廃棄物処理の道筋を付けることや、廃炉の経験をビジネスに生かす視点の重要性を指摘する。

 ―廃炉の進め方は各国でさまざまだったが、国営企業や政府の公的機関などが担っていた。

 「国が積極的に関与して廃炉を行っているところは比較的スムーズに進んでいる。なぜなら国が放射性廃棄物の発生から保管、処理、処分までの道筋を付けていたためだ」

 「廃炉となれば10年以上にわたる解体作業があり、一気に多くの廃棄物が発生する。廃棄物の搬出先があることが廃炉をスムーズに進める前提といえる。スペインでは早くから廃棄物の処分場があったために解体が早い。ドイツのグライフスバルト原発には処分場がなかったが、代わりに巨大な中間貯蔵施設を造った。やり方は違うが、先を見据えて取り組んでいる」

 ―日本はどう廃炉を進めるべきか。

 「エネルギー基本計画では原発を『重要なベースロード電源』と位置付けており、ある程度の電源を原発で維持していく方針だ。日本では一つの発電所に複数のプラントが設置されている。古いプラントを廃炉にしていく際には、例えば3基あるならその3基を解体して、出力が大きい新型1~2基にリプレース(置き換え)するようなイメージになるのではないか」

 「原発には港湾設備や送電設備など既に整っており、そのインフラを有効利用すべき。リプレース後の残った跡地には、シェールガスを使うプラントのようなエネルギー関連の施設を設置する方向がいい」

 「日本は5~10年間の安全貯蔵期間を設けてから解体する方針。ただ、廃炉終了まで30年もかけるのは遅すぎる。解体期間を短くし、かつ跡地の再利用を促進すべきだ」

 ―廃炉に関する日本の課題は。

 「放射性廃棄物の処分場がないのが大きな問題で、造る際に地域住民などステークホルダー(利害関係者)と良好な関係を築けるかが課題。原発を建設する『フロント側』に対し、『バックエンド側』になる廃炉は、廃棄物の処理・処分といった汚いイメージがある。廃炉は適正にできるということを示し、悪いイメージを払拭(ふっしょく)しないといけない。一般市民への広報・理解活動のあり方、それを担う人材育成が重要だ」

 ―日本は廃炉先進地の事例をどう生かすべきか。

 「ドイツの国営会社EWNの例が日本の行く末を示唆している。EWNでは運転作業員が廃炉に従事し、蓄積したノウハウを海外の廃炉プロジェクトや教育研修に生かした。廃炉はビジネスという視点が必要で、第3セクターのような会社を設立してはどうか。ノウハウや知見を蓄え、従業員教育や効率的なコンサルティングを行うような、ビジネスの核となる会社を目指すべきだ」

 【りんどう・ひろし】 1978年に日本原子力研究開発機構の前身である動力炉・核燃料開発事業団に入団。94年動力炉開発推進本部もんじゅ計画管理課長、2008~12年同機構バックエンド推進部門長などを歴任し、廃止措置や低レベル放射性廃棄物処理・処分を研究。12~14年に日本原子力学会の福島第1原発事故調査委員会委員、14年からは同原発廃炉検討委員会委員を務める。茨城大大学院工学部卒。千葉県出身。63歳。

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 世界の原発約430基(2014年1月時点)のうち、廃炉段階にあるのは約130基。その約6割を欧州の原発が占める。福井県内原発も高経年化(老朽化)が進み廃炉時代が目の前に迫る中、日本技術者連盟の廃炉実態調査団に同行し「廃炉先進地」といえる欧州4カ国を訪れ、取材した。


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