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やがて限界、中間貯蔵待ったなし 動きだす高浜原発3、4号(4)

  • 2016年1月22日
  • 08:00
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高浜原発3号機で、原子炉への装荷のため使用済み燃料プールの中を運ばれる核燃料(下部中央)。関電はMOX燃料も使い、プルサーマル発電を再開させる=2015年12月25日
高浜原発3号機で、原子炉への装荷のため使用済み燃料プールの中を運ばれる核燃料(下部中央)。関電はMOX燃料も使い、プルサーマル発電を再開させる=2015年12月25日

 関西電力が高浜原発3号機(福井県高浜町)の原子炉に核燃料を入れる作業を始めた昨年12月25日。800キロ離れた青森県六ケ所村で使用済み燃料再処理工場を運営する日本原燃は、高浜の再稼働に対し「プルサーマル計画が着実に進展することを期待する」とコメントした。

 3号機では、海外で使用済み燃料を再処理したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料も使う。関電は4号機も含め2基の再稼働で、MOX燃料を燃やす「プルサーマル発電」を新規制基準の施行後、国内で初めて再開させる。「資源の有効利用の観点から重要」とする核燃料サイクルの“環”が国内で動きだすことを期待して―。

 国が長年堅持してきた核燃料サイクルは、大きく揺らいでいる。中核に位置付けられてきた高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)は、原子力規制委員会による運営主体変更の勧告で存廃の岐路に立つ。一般の原発から出た使用済み燃料の再処理を担う日本原燃の再処理工場は、昨年11月に23回目の完成延期を発表。規制委で審査中だが、先行きは見通せない。

 「核燃料サイクルは実質破たんしている。使用済みMOX燃料の行き場もなく、原発内に半永久的に置かれる」。美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会の小山英之代表は、高浜のプルサーマル再開と再稼働に異議を唱える。MOX燃料を燃やした後の処理方法は国の方針も含めて不透明なままだ。

 日本原燃は全国の使用済み燃料を受け入れてきたが、貯蔵容量は限界に近い。再処理工場が稼働しなければ、各原発内には使用済み燃料がたまり続ける。高浜の場合、動かし続ければ7~8年後に原発内の貯蔵プールは満杯となり、運転できなくなる。貯蔵対策は待ったなしだ。

 2020年ごろに福井県外に使用済み燃料の中間貯蔵施設の立地地点を確定し、30年ごろに操業を開始する―。関電が昨年11月に公表した推進計画では、県外立地を求めてきた県に答える形で、スケジュールを示した。

 関電の八木誠社長が12月21日、西川一誠知事と面談した際には「全社一丸となって不退転の覚悟で取り組む」と強調。計画の前倒しも約束した。一方で京都府の市町は、府内立地を心配して反発。八木社長が府内では同意が得られていないため建設しないと、府知事に伝える騒動にまで発展した。

 現時点で関電に具体的な立地場所のめどはなく、厳しい情勢。計画自体も再処理工場の18年度上期の稼働が前提で、見通しの甘さも見える。

 「政府や電力業界は課題をあいまいにしたまま、核燃料サイクルを現状維持で再び進めようとしている」と警鐘を鳴らすのは、元原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター長だ。

 鈴木氏は、前進も撤退も大変なサイクル政策の将来に柔軟性を持たせ、見直しを議論する時間を稼ぐため、中間貯蔵の拡大が重要と強調。「国が使用済み燃料を資源だとするのなら、備蓄基地をつくるなど保管に責任を持つべきだ」と話した。


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