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あいまいな将来設計、再稼働懸念 原発の行方・第9章(1)

  • 2014年3月4日
  • 15:08
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経産省で開かれた総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会。エネルギー基本計画案では将来の原発比率を示さなかった=昨年12月13日
経産省で開かれた総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会。エネルギー基本計画案では将来の原発比率を示さなかった=昨年12月13日

 昨年10月、エネルギー基本計画の策定に向けた経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の会合で「エネルギー需給を巡る状況と需要家(産業界)の動向について」と題した資料が出席者に配られた。

 電気料金の上昇に伴う産業界への影響や、火力発電による温室効果ガスの排出量増加などの数値がちりばめられ、「原発は必要と言っているのと同じ内容」(県関係者)だった。

 自民党が政権に返り咲いた後、分科会の委員はほぼ原発推進派で固められた。「原発がなければ電力の安定供給に支障が出るという結論ははじめから決まっていた」。数少ない脱原発派の委員、辰巳菊子日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問(66)にはそう映った。

 分科会が昨年末にまとめたエネルギー基本計画案で「基盤となる重要なベース電源」と位置付けた原発。政府案では「重要なベースロード電源」と微修正されたが、福井県内の立地自治体は再稼働を推進する姿勢を評価している。分科会の委員だった西川知事も「原子力の重要性を責任を持って示した」と歓迎した。

 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働から2カ月後の2012年9月には、原発ゼロ目標を掲げた新たなエネルギー政策を打ち出すなど当時の民主党政権がぶれ、地元は大きく揺さぶられた。立地自治体が政府案を重視するのは、こうした苦い経験があるからだ。

 一方、政府案ではエネルギーのベストミックスという「具体的な将来像」に踏み込まず、原発をどのくらい活用していくのかはあいまいにした。「安定供給、コスト低減、温暖化対策、安全確保のために必要な技術・人材維持の観点から、確保していく規模を見極める」と新増設に含みを残している。脱原発派は「政府に依存度を可能な限り低減させる意思が本当にあるのか」と疑念の目を向けている。

 辰巳氏は「いつまでにどの程度減らすのか着地点を明確にすべき」と強く訴える。基本計画案の書きぶりは、逆に「原発を可能な限り動かす」方向に進もうとしているようにすら見えると危惧しているからだという。

 原子力規制委員会の安全審査の見通しが立たず、何基再稼働するかが分からない−というのが将来の原発比率を示さなかった政府の根拠だ。

 しかし、橘川武郎一橋大大学院教授は「規制政策と原子力政策は切り離すというのが、規制委を独立性の高い三条委員会にした理由。再稼働を規制委に任せる一方で、自分たちが責任を持った方針を打ち出さないのはおかしい」と語る。

 将来的な原子力政策の理念を欠いたまま再稼働に突き進めば、国民の不信感が高まる可能性もある。
  ×  ×  ×
 東京電力福島第1原発事故から3年たった今も原子力政策が定まらない状況の中、原発のあり方を含めエネルギー問題を考え直す。
 ※次回からは県内総合面で掲載します。


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