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ほぼ手つかず、収束見えぬ福島第1 爆発から6年、現場に苦悩

  • 2017年2月17日
  • 11:05
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無残な姿の1号機(左)と溶け落ちた核燃料と見られる塊が内部で見つかった2号機=2月6日、福島県大熊町の福島第1原発(代表撮影)
無残な姿の1号機(左)と溶け落ちた核燃料と見られる塊が内部で見つかった2号機=2月6日、福島県大熊町の福島第1原発(代表撮影)

 東日本大震災が起きた翌日の2011年3月12日に水素爆発を起こした東京電力福島第1原発1号機。ぐにゃりと曲がった骨組みがむき出しとなった原子炉建屋の凄惨な姿が約80メートル先に見えた。世界を震撼させた1号機は6年たっても、細かいがれきを取り除いただけでほぼ手つかず状態。建屋周辺は高線量が続いている。「収束は本当にできるのか」。原発事故からまもなく6年を迎えるのを前に2月6日、日本記者クラブの取材団に参加した。

 ヘルメットに半面マスク、私服という軽装備でバスに乗り、1〜4号機が見下ろせる高台に向かう。東電担当者によると、4基周辺の土などにモルタルを吹き付け放射線量を減らした結果、昨年3月から軽装備で近づけるようになったという。

 1号機は昨年11月、建屋を覆っていたカバーが取り外された。水素爆発で建屋壁面が吹き飛んだ事故当時の状況がうかがえ、大きく曲がった骨組みが生々しい。隣には爆発こそ免れたものの、原子炉格納容器内のカメラ調査で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の可能性がある堆積物が確認された2号機が不気味に建っていた。

 高台で東電担当者が手にしていた線量計は、毎時149マイクロシーベルトを示した。1、2号機の原子力格納容器から気体を外に逃がすためのベント用排気筒付近は毎時1528マイクロシーベルトという。1号機と同様に水素爆発した3号機前をバスで通った際、バス内の空間線量は毎時245マイクロシーベルトと高かった。東電担当者は高線量が続いていることを認め「“本丸”の作業に着手できないのがつらい」と唇をかんだ。

 福島第1原発構内に入って約5時間、東電担当者は随所で記者団に対し「構内環境は改善した」と同じ説明を繰り返した。木々を伐採して舗装し、遮へい能力を高めるなどして、構内約9割の敷地での作業に防護服は必要なくなったという。

 ただ、建屋への地下水流入を防ぐため1〜4号機を囲んだ延長約1・5キロの凍土壁は、ランニングコストだけで年間十数億円に上り、全て税金で賄われる。汚染水は「半減した」(東電担当者)というものの、いまだ一日約200トンが発生している。汚染水を除去する装置を使っているが、取り切れない物質があるため保管するしかなく、千トン貯蔵できるタンクは千基が所狭しと並んでいた。

 内田俊志所長は「装置を通した後の汚染水の処理方法が決まらないと厳しい。18年度までに、汚染水の発生を止めたい」と話した。

 3号機は建屋上部に遮へい板を設置し、放射線量を減らしている。18年中ごろからは、566体ある使用済み燃料の取り出しを始める工程になっている。ただ建屋内の状況が分からなければ、収束に向けた作業は進まない。

 「事故後6年がたとうとしているが、何を持って廃炉作業が完了かという“頂上”が見えない」と内田所長は苦悩の表情を浮かべた。その上で「廃炉作業を貫徹するため、一致団結して取り組んでいく」と強調した。


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