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フランスの原子力総合企業アレバとは 廃炉先進地の今(6)

  • 2014年8月19日
  • 18:27
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海外でも廃炉ビジネスを展開する原子力の総合企業「アレバ」の本社=7月、フランス
海外でも廃炉ビジネスを展開する原子力の総合企業「アレバ」の本社=7月、フランス

 超高層ビルや大型施設が集積するパリ近郊のオフィス街に、原子力の総合企業「アレバ」の本社はあった。凱旋(がいせん)門やエッフェル塔などフランスの観光名所があるパリ中心部から車で約30分ほどだ。

 アレバは、フランス政府が約9割の株式を保有する実質的な国営企業として2001年に誕生した。原発の建設や運転だけでなく、燃料となるウランの採掘から、使用済み核燃料の再処理、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の製造までも行う。原子力関連の川上から川下まで“何でも屋”という感じだ。

 「近年は廃棄物の処理施設や研究開発を必要としている国が増えている。国際的なビジネスとして廃炉・解体関係(の売り上げ)が伸びている」。本社の会議室で、アレバの廃止措置担当グザビエ・ドゥ・ブリモン氏が現状を説明してくれた。

 廃炉関係だけで従事する社員は2千人以上いて、年間約4億ユーロ(約560億円)の売り上げがあるという。自社で所有する施設の解体に取り組みながら技術開発を進め、成長分野といえる海外での廃炉ビジネスも展開している。

 国内では南東部にあるMOX燃料製造工場の解体を完了し、高速増殖炉スーパーフェニックスなどの解体に取り組んでいる。炉内構造物を切断する技術などの研究と同時に、顧客の要望に応じて作業のシミュレーションから解体に必要な各装置の開発までを行う。ドイツでは三つの原子炉で技術が生かされた。米国では11カ所の廃炉に関わり、計画策定から解体、廃棄物処理を担当した。

 同社のノウハウは福島第1原発事故後の対応にも生かされている。事故の3カ月後に汚染水浄化装置を導入するなど、東京電力に対する技術サポートを継続している。ただ福島に限ってはビジネス重視ではなく、できるだけ早く原状回復に導くことに力を注ぐ。「福島での成果は世界中の原子力業界から注目されている」。ブリモン氏はこう強調した。

 フランスが原子力に固執するのは日本と同様、エネルギー資源がないからだ。国内に58基の原発を保有し、電力の8割を原子力に依存する。使用済み核燃料については、廃棄物の容量とプルトニウムの有害度を低減するために再処理する方針だ。

 国内だけでなく、世界各国から再処理を請け負う。使用済み燃料はフランス国内にあるアレバ社の傘下企業に運び込まれプルトニウムを取り出して、MOX燃料とそのときにできた高レベル廃棄物を返還する。国別でみると日本は、フランス国内、ドイツに続き世界で3番目の“顧客”だ。

 一方、ヨーロッパ諸国ではコスト面などの観点から再処理しないで、中間貯蔵後、地中に埋める直接処分をしようという動きが出てきた。だが、アレバの別の担当者は「フランスは今後も再処理を続ける方針。中間貯蔵する必要はないという考えに変わりはない」と言い切った。

  ×  ×  ×

 世界の原発約430基(2014年1月時点)のうち、廃炉段階にあるのは約130基。その約6割を欧州の原発が占める。福井県内原発も高経年化(老朽化)が進み廃炉時代が目の前に迫る中、日本技術者連盟の廃炉実態調査団に同行し「廃炉先進地」といえる欧州4カ国を訪れ、取材した。


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