福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

「核のごみ」処分、見えぬ道筋 国、「最終」有望地提示先送り

  • 2017年1月27日
  • 10:15
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
「核のごみ」の最終処分地選定に向け、国民理解促進のために開かれたシンポジウム=昨年5月、福井市の県国際交流会館
「核のごみ」の最終処分地選定に向け、国民理解促進のために開かれたシンポジウム=昨年5月、福井市の県国際交流会館

 原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をどう処理するかの議論が進んでいない。国は最終処分の候補地「科学的有望地」を提示できないまま越年。使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外立地も関西電力の計画策定から1年たった今も、具体化の道筋は見えてこない。前提となる核燃料サイクルは、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉が決まり、先が見通せない状況。地元を軽視した進め方にも厳しい目が向けられている。

 ■受け止め環境整わず

 最終処分を巡っては、実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)が2002年から候補地を公募していたが難航。政府が15年に科学的有望地を示し、自治体に協力を求める方針に転換した。

 16年中の提示を目指していたが、経済産業省資源エネルギー庁放射性廃棄物対策課の担当者は「国民が冷静に受け止める環境が整っていない」と明かす。理解を進めるため福井県など全国で計27回のシンポジウムを開いたが、進展しなかった。

 有望地提示を議論してきた経産省の有識者会合では「科学的有望地」という言葉にさえ「処分地としてのゴールととらえられかねない」と疑問が呈された。有望地の提示は国民的議論の喚起が目的だったがつまずいた。

 昨年11月には37都道府県の市区町村長らでつくる「脱原発をめざす首長会議」が、「有望地の提示は、住民間や地域内の亀裂を生じるリスクもはらむ」との緊急声明を採択。同会議の上原公子事務局長(元東京都国立市長)は「国が立場の弱い自治体をカネで追い込もうとするのは目に見えている」と懸念する。

 ■搬出先具体化せず 

 福井県が県外搬出を求めている使用済み燃料の中間貯蔵については、廃炉を含め11基を抱える関西電力が一昨年11月に「20年ごろに貯蔵施設の立地地点を特定」との計画を打ち上げた。

 今年1月5日、関電の岩根茂樹社長は県庁で記者団に3年間で約4500回、個別の説明を実施していると強調。ただ進展具合には触れず「青森県六ケ所村の再処理工場が動きだすと、そちらにも持っていける」と、もう一つの搬出先である工場の早期稼働にも期待感を示した。

 敦賀原発を持つ日本原電と東京電力は、青森県むつ市に施設建設を予定し、中部電力が浜岡原発敷地内に施設建設を計画。ともに規制委が審査中だ。四国電力も原発敷地内での中間貯蔵方針を示した。「県外搬出」と約束した関電は、後れを取りつつある。

 ■勝手に決めるなら…

 最終処分や中間貯蔵、再処理といった一連の計画は、使用済み燃料からプルトニウムなど再利用できる成分を取り出し、繰り返し使う核燃料サイクルの下に成り立っており、サイクルが破綻すれば見直しを迫られる。

 政府は昨年末、サイクルの中核を担う高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)の廃炉を決定。サイクルは維持するとの方針も示しているが、西川知事は維持が可能か疑問を呈している。国が地元の頭越しにもんじゅ廃炉を決定したこともあり、地元の不信感は頂点に達している。

 「最後は国が勝手に決めるようなら、全国どこの自治体も了解しない。今後原子力政策が進むと思っているのか」。文部科学省、経産省資源エネルギー庁の幹部を招いた1月16日の県会全員協議会で、敦賀市選出の力野豊議員は声を荒らげた。国側は「原子力政策を進めるためには、地元の理解は最大限尊重しないといけないし、理解を得るべく最大限の努力をする」と返すのがやっとだった。

 ■ワードファイル 高レベル放射性廃棄物の最終処分

 高レベル放射性廃棄物は使用済み燃料の再処理の過程で発生する。ガラスと一緒に溶かして固めて金属製容器に密封した後、ガラス固化体として地下300メートルより深い場所に埋める「地層処分」を行う。資源エネ庁によると、2014年4月末時点で、国内の使用済み燃料を再処理すれば、ガラス固化体約2万5千本相当が発生する。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース