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なお核廃棄物の最終処分場決まらぬドイツ 廃炉先進地の今(4)

  • 2014年8月16日
  • 18:17
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巨大な中間貯蔵施設内に保管されている、原子炉容器や蒸気発生器などの高レベル放射性廃棄物が入った専用容器=ドイツ・グライフスバルト原発
巨大な中間貯蔵施設内に保管されている、原子炉容器や蒸気発生器などの高レベル放射性廃棄物が入った専用容器=ドイツ・グライフスバルト原発

 1995年に解体作業が始まったドイツのグライフスバルト原発。96年には原子炉建屋の隣に幅210メートル、奥行き140メートル、高さ18メートルに及ぶ巨大な中間貯蔵施設が建てられた。敷地内で最もセキュリティーが厳しい施設だ。

 同原発の解体に伴って発生した廃棄物は180万トンに上る。そのうち約3割は放射性廃棄物として同施設に運ばれた。残りの7割は汚染されていない金属類を中心にリサイクル業者などに引き渡された。

 平屋建てで水色と赤茶色の外観の施設内に入ると、放射線量のレベルに応じ八つのホールに分かれていた。各ホールには大小のコンテナが3、4個ずつ縦に整然と積まれていた。1ホール当たり600コンテナ置けるという。地震の影響を考慮しなくてよいためか、固定はされていない。

 「線量が少し高いのであまり立ち止まらないで歩いてください」。ホール7では案内してくれた国営企業「EWN」の技術者マティアス・ローデ氏がせかした。特殊な容器に入れられた高レベル放射性廃棄物の原子炉容器と蒸気発生器30体が横倒しで並んでいた。今後20~30年そのまま置いておき、放射線量が下がってから解体・除染の対象になる。視察が許されなかったホール8には、2001~06年に燃料プールから搬送された使用済み核燃料が鋼鉄製容器で保管されている。

 スペインのホセカブレラ原発は、高レベル廃棄物はコンクリート容器に入れて一時的に屋外で貯蔵されていたが、グライフスバルト原発は専用建屋を造って保管しており、国によって明らかな違いがあった。

 廃炉に関してはドイツの東西でも事情が異なる。旧西ドイツの原発は、電力事業者が廃炉に備えた引当金を運転時から積み立てていた。一方、グライフスバルト原発をはじめ旧東ドイツではこうした準備はしていなかった。東西ドイツの統一後、同原発を運転していた会社は国が全額出資する廃炉専門会社のEWNに姿を変え、国家的プロジェクトとして廃炉を進めている。これまでに掛かった同原発の解体費用は4千億円を超える。

 解体を進めるに当たって最大の問題は、廃棄物や使用済み燃料をどこに運ぶかだ。中低レベルの廃棄物は2019年に最終処分場となる鉄鉱石採掘場跡地に搬入する予定で現在、準備が進む。一方で、放射能レベルの最も高い使用済み燃料についてドイツは再処理せずに地中深くに埋める方針だが、最終処分場はいまだに決まっていない。

 「巨大な中間貯蔵施設をつくったのは苦肉の策」。今回の調査団で団長を務めた日本原子力研究開発機構バックエンド研究開発部門の林道寛氏はこう推察する。

 ローデ氏は「最終処分場へ運ぶ時期は50年後になるか、100年後になるかは分からない」と話した。

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 世界の原発約430基(2014年1月時点)のうち、廃炉段階にあるのは約130基。その約6割を欧州の原発が占める。福井県内原発も高経年化(老朽化)が進み廃炉時代が目の前に迫る中、日本技術者連盟の廃炉実態調査団に同行し「廃炉先進地」といえる欧州4カ国を訪れ、取材した。


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