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ヨウ素剤期限迫り更新へ 県、嶺南5市町全員に 配布は高い壁

  • 2017年1月13日
  • 08:11
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2014年に福井県高浜町で行われた安定ヨウ素剤の事前配布説明会。17年度は薬剤の更新が必要となる
2014年に福井県高浜町で行われた安定ヨウ素剤の事前配布説明会。17年度は薬剤の更新が必要となる

 原発事故に備え、おおむね5キロ圏内に住む福井県高浜町など嶺南5市町の住民に事前配布された安定ヨウ素剤は、2017年秋に3年間の使用期限が全て切れる。そのため県は今春から新しい薬剤への更新を進め、併せて配布率100%を目指す。だが14年秋から2年かけて取り組んでも、全体の配布率は78%にとどまっている。更新までの期限は半年しかなく、全員配布達成のハードルは高い。

 原発事故が起きて放出された放射性ヨウ素を吸い込むと、甲状腺に蓄積し、がんを引き起こす危険性が高まる。ただ、安定ヨウ素剤を事前に飲むことで甲状腺被ばくを防ぐことができる。12年に策定された国の原子力災害対策指針は「原発から5キロ圏内の住民には安定ヨウ素剤を配布すること」を明示している。

 これを受け、県は14年秋に嶺南5市町分の安定ヨウ素剤を一括購入。県と5市町は同年10月から高浜町を皮切りに説明会を開き、3歳以上に順次配布してきた。昨年11月からは、3歳未満が直接服用できるゼリー状の安定ヨウ素剤の事前配布も始めている。

 県地域医療課によると、5市町の対象者は計1万65人(昨年12月1日現在)で全体の配布率は78%。市町別では、対象者が7907人と最も多い高浜町の配布率が77%で最も低い。このほか小浜市(対象者269人)が97%、敦賀市(同311人)は86%、美浜町(同832人)は83%、おおい町(同746人)が80%となっている。

 高浜町は説明会を14年度に20回、15年度に13回、本年度は10回と他市町より多く開催した。他の4市町もこれまでに約10回開いているが、対象者全員には配布できていない。県地域医療課は、全体で78%の配布率を「高いとは言えない」とした上で「きちんと説明してから、事前配布しなければならない。転入・転出もある」と難しさをにじませる。3歳未満への配布は、保護者の同伴が必要なこともネックになっているようだ。

 今回は新しい薬剤への更新のほか、以前ゼリー状の薬剤が配布された乳幼児が3歳になっていれば、錠剤への交換も必要になるため、対象者全員への説明会を再度開かなければならない。同課の姫川祐一課長は「説明会の回数を増やし、足を運びやすい午後7時ごろから開きたい」とし、「各市町と協力して住民への広報を強化し、100%配布を目指す」と話している。

 ■安定ヨウ素剤 放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを防ぐため、予防的に服用する医薬品。服用量は3歳から12歳までは丸薬1錠、13歳以上は2錠が目安。ヨウ素や成分に対し過敏症の既往歴がある人は服用できない。原発から5キロ圏の場合は、事前に配布された安定ヨウ素剤を国や自治体の指示で服用する。5〜30キロ圏の場合は避難や屋内退避の際に配布を受けて服用するため、自治体は迅速に配る体制を整備する必要がある。


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