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福島第1原発の廃炉支援に自信と課題 原発の行方・第6章(中)

  • 2013年3月31日
  • 11:25
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ふげんの廃止措置スケジュール
ふげんの廃止措置スケジュール

 新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)が原子炉廃止措置研究開発センターに改組されたのは2008年2月。日本原子力研究開発機構は「原発の廃止措置事業の先駆的役割を果たす」と“宣言”した。

 だが、工程は当初計画より大幅に遅れ、13年度を予定していた原子炉周辺設備の解体撤去には着手できそうにない。使用済み燃料の搬出が08年度以降ストップし、使用済み燃料466体が貯蔵プールに残っているからだ。

 搬出先となる茨城県東海村の再処理施設が受け入れを停止。耐震補強工事のためで本年度でほぼ完了するという。その一方で、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、12月に施行される再処理施設対象の新安全基準への対応が新たに必要になる。

 燃料を陸揚げするため供用港として使っていた日本原電の港湾施設は、東日本大震災で被災。原子力機構の計画では13年度中に燃料搬出を再開するとしているが、復旧作業は14年3月まで続く見通しで、実際には「修復を待つしかない」(岩永茂敏ふげん技術主席)のが現状だ。

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 ふげんには、福島第1原発の廃炉支援という役割も加わった。1〜3号機は炉心溶融を起こし、廃炉には相当の困難が予想される。こうした状況にも高橋秀孝所長は「ふげんの技術が役に立つ」と自信をみせる。

 福島で技術応用が可能とする根拠は、炉心の形状が複雑で狭いふげんの構造にある。燃料が被覆管などと溶け合い、折り重なっているとみられる福島第1原発の炉心に見立て、前例のない解体技術を構築したい考えだ。

 急ピッチで研究開発を進めているのがレーザーによる切断技術。他の手法より放射性廃棄物の発生量を抑制できる。海外にも例がないという水中での切断に取り組んでおり、「できるだけ前倒しで進める」(鈴木篤之原子力機構理事長)と意気込む。

 ふげんの炉心には、燃料を入れる224本の圧力管がぎっしり詰まっている。技術開発課の中村保之主査は「圧力管は二重になっている。管の中に入る切断用の小型ヘッドを開発し、内側から二重管を同時に切る想定」と説明。13年度から試験を始めるという。

 開発に成功すれば、小型ヘッドを遠隔操作で福島第1原発の炉心に送り込み、小回りを利かせながらレーザーで解体する技術の確立に期待が高まる。

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 若い人材の育成も重要な要素だ。ふげんの運転停止直後に入社した中村主査は33歳。「廃炉を後ろ向きにとらえる人もいるが、廃止措置の技術はこれからの仕事」と意識は高い。

 組織として若手技術者を積極的に海外に派遣。中村主査も国際会議などに頻繁に出席している。3カ月間滞在した英国では、ふげんと同じ重水を減速材に使う原子炉の解体現場を調査し、実際に導入した技術もある。

 岩永技術主席は、運転開始当初からふげんに携わり、構造を熟知している職員が持つ知見の重要性を指摘しつつ、同時に「若い技術者を廃止措置の専門家に育てないといけない。新しい世代に新しい仕事をやってもらう」と期待を込める。

 ふげん廃止措置技術専門委員会の座長を務める石槫(いしぐれ)顕吉日本アイソトープ協会常務理事は、ふげんの強みを「実際のプラントで研究し、経験を積んでいること」という。福島の廃炉支援に力を発揮する可能性は十分あると考えている。実用化した技術が高い放射線下で実際に使えるかが課題とし、「開発した情報をタイムリーに発信することが重要」とも語った。


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