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廃炉先駆者を自負、技術積む 原発の行方・第6章(上)

  • 2013年3月30日
  • 11:39
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ふげんの解体作業で廃棄物を除染する作業員ら=2013年1月、福井県敦賀市明神町
ふげんの解体作業で廃棄物を除染する作業員ら=2013年1月、福井県敦賀市明神町

 日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)が運転を終えて29日で丸10年が経過した。2008年に名称を原子炉廃止措置研究開発センターに変え、廃炉に着手し作業が続いている。これまで国内では小型の試験炉しか廃炉完了の例がなく、商業炉と同じ水冷却タイプのふげんは廃炉技術の先駆的な役割を担っている。33年度に解体作業を終え、更地に戻す計画だ。

 ふげんは原型炉の位置付けで、天然ウランやプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使えるのが特徴。国策の下で純国産技術により開発され、1979年に本格運転を始めた。使用後の燃料を再処理してMOX燃料を製造、再び使う「サイクルの輪」を完成させたが、国は経済性などを理由に開発計画の中止を決定。03年3月に運転を終了した。

 今後迎える商業炉の廃炉のため、いかに安全で効率的に解体していくか―。今は廃炉技術の開発や体系化という使命を帯び、現場で試行錯誤の作業が続いている。

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 ふげんのタービン建屋に入ると、解体済みの配管類がビニールに包まれ、大量に山積みされていた。発電用タービン周辺を中心に、蒸気が通る配管や機械装置類を解体中だ。「この辺りは放射能の汚染がほとんどない。解体も町工場で使われる工法と同じで、難しい作業はない」と岩永茂敏ふげん技術主席。工事は競争入札でほぼ地元企業が受注し、作業員は100人程度が働く。

 廃棄物の配管類には一つずつQRコードが付き、元あった場所や機器の種類、汚染のレベルで分類したデータを管理。情報がすぐに呼び出せる。合理的で厳重な管理のためで、さまざまな解体工法もデータベース化し電力会社に提供している。

 解体中の復水器の近くでは、シートの囲いの中で除染作業が行われている。金属粉を混ぜた高圧の水を吹き付ける機器を使い、廃棄物に付着したさび状の放射性物質を削り落とす。除染方法は一つではなく、材質や汚染状況によって使い分けるという。

 解体作業の周囲をシートで覆って換気は別にするなど、汚染の拡散防止を図っている。岩永技術主席は「汚染の低い場所で放射線管理の手順を固めている。管理方法を確立していくのも大事な仕事」と強調した。

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 原子力機構は、25年間の廃炉工程を四つの段階に分けている。使用済み核燃料を貯蔵プールに保管している間は汚染の少ない場所を解体。燃料を搬出した後は原子炉周辺を解体し、その後に原子炉本体に着手する。最後に建屋などすべてを解体する。時間が掛かるのは放射能を除染して減衰を待つ必要があるからだ。

 ふげんの廃炉費用は約750億円。発生する廃棄物の量は金属やコンクリートなど約36万1800トンの見込み。このうち93%は放射能汚染がなく、その他も除染してクリアランス検認を行うことで97%程度がリサイクルや一般の産業廃棄物として処分可能という。残りは低レベル放射性廃棄物処分場に埋設する。

 ただ、現在までに解体した廃棄物の量は約750トンにすぎない。技術的に難しい原子炉本体の解体も10年後の予定で、更地にするまで今後待ち構える課題は少なくない。

 それでも、ふげんの高橋秀孝所長の自信は揺るぎない。「日本の廃炉技術の一番先頭を走っている自負を持ち、われわれは作業や研究に当たっている」

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 運転40年超の3基を含め古い原発が多い本県は、廃炉時代が近づく。廃炉作業とはどんなものか、廃炉ビジネスは地域に根付くのか。廃炉作業中のふげんを通して現状や課題を追った。

 クリアランス検認 国が定めた基準「クリアランスレベル」を用い、原発から出る廃棄物を原子力事業者が放射能測定し、放射性廃棄物として扱う必要のないものかどうかを判断、国がチェックする仕組み。放射能レベルが人体への影響を無視できる年間0・01ミリシーベルト以下なら、リサイクルや一般の産業廃棄物として処分できる。制度は2005年に導入された。国民の理解が必要なため、日本原電が解体中の東海原発(茨城県)の廃棄物を使ってベンチを作るなど、電力業界が自ら率先して再利用を進めている。


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