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中間貯蔵施設を公募で決めるスペイン 廃炉先進地の今(2)

  • 2014年8月14日
  • 18:06
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ホセカブレラ原発(右)敷地内に保管されている、高レベルの放射性廃棄物が入ったコンクリート容器=2014年7月、スペイン
ホセカブレラ原発(右)敷地内に保管されている、高レベルの放射性廃棄物が入ったコンクリート容器=2014年7月、スペイン

 「スペインは人口の約75%がマドリードやバルセロナなど大都市に集中し、原発の周辺では過疎化が深刻な状況だ」。放射性廃棄物管理公社「エンレサ」広報担当のホルヘ・ボルケ・リニャン氏(35)は立地地域の実情を語る。

 エンレサが廃炉作業を進めるホセカブレラ原発がある村の人口はわずか57人、隣接する最も近い市でも約800人。取材で訪れた際も、石造建築の町並みに通行人はほとんどいなかった。

 エンレサは公的機関のため、廃炉作業を行う業者の指名はできないが、それでも「地元優先で仕事を回すよう請負業者など関係機関に推奨している」(ボルケ氏)という。廃炉作業員約250人のうち、立地地域や周辺からの雇用は約160人に上る。運転当時の作業員約150人のうち約100人は引き続き廃炉に従事した。

 ただ、作業は早ければ3年以内に終わる。スペインでは廃炉となった立地地域に対し、作業完了まで国から補償金が支払われ続けるため、「『廃炉を急がなくてもいい』といった地元の声は多い」とボルケ氏は明かす。

 一方、廃炉関連の施設を誘致し地域振興に結び付けたいと考える自治体も少なくない。

 ホセカブレラ原発の敷地内の一角には、使用済み燃料や、原子炉解体で生じた高レベルの放射性廃棄物が入ったコンクリート容器16基が一時保管されている。最終処分の方法や場所は決まっていないが、これらは約100キロ離れたビジャル・デ・カニャス町に建設される集中中間貯蔵施設に送られる予定。施設が完成すれば国内の原発10基で発生したすべての高レベル廃棄物が保管できる規模だ。

 同施設に関しては、国が2009年に誘致自治体を募集し、同町を含む14市町村が手を挙げた。貯蔵施設が建設される自治体の道路インフラについては廃棄物輸送に対応できるよう、国が9億ユーロ(約1260億円)を投資して整備・拡張する計画。さらに廃棄物の取り扱いや処分に関する企業、研究機関が進出しやすいように、国の補助金を原資に産業団地やビジネスパークの整備が検討されている。

 ビジャル・デ・カニャス町は人口約500人で過疎化や高齢化は深刻で、失業率も高い。同町が集中中間貯蔵施設の建設地に選ばれた要因には、原発に近く地理的優位性が高いのに加え、十分な社会経済効果があることもある。

 ボルケ氏は「国の多額の投資があれば、雇用創出や人口増が期待できる」と言い切る。施設の建設・運用を担うエンレサは、18年の操業開始を見込む。施設の建設に向けた土地造成などは既に始まっている。

  ×  ×  ×

 世界の原発約430基(2014年1月時点)のうち、廃炉段階にあるのは約130基。その約6割を欧州の原発が占める。福井県内原発も高経年化(老朽化)が進み廃炉時代が目の前に迫る中、日本技術者連盟の廃炉実態調査団に同行し「廃炉先進地」といえる欧州4カ国を訪れ、取材した。


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