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もんじゅ廃炉、燃料などの行き場は 難題山積、試算桁違い工程見えず

  • 2016年12月22日
  • 11:50
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もんじゅの原子炉上部。廃炉作業には難題が山積している=2015年12月、福井県敦賀市白木2丁目
もんじゅの原子炉上部。廃炉作業には難題が山積している=2015年12月、福井県敦賀市白木2丁目

 迷走を続けた日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)は21日に廃炉が正式に決まった。廃炉作業の進め方はこれからの協議になるが、一般の軽水炉でさえ除染や解体は手探り状態で、特殊な炉型のもんじゅでは今後数十年にわたって未知の作業が続く。巨額の費用に加え、扱いが難しい冷却材のナトリウムやプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の処理など多くの難題が待ち受けている。


 廃炉には今後30年間に少なくとも3750億円必要―。政府が19日の高速炉開発会議で示した試算は、もんじゅの特殊性を際立たせた。内訳は使用済み核燃料の取り出しと廃炉準備作業に150億円、解体に1350億円、維持管理費に2250億円。全体で数百億円規模の軽水炉に比べ桁違いだ。

 これまでに廃炉作業に入ったナトリウム冷却型の高速炉は欧米に15基程度ある。構造や規模、立地条件はさまざまで、知見がどれだけもんじゅに当てはめられるかは不透明。原子力機構が2012年に廃炉費用を試算した際に設定した工程は軽水炉を参考にしており、原子力機構は「現時点で廃炉の具体的な手順は検討していない」と説明する。

 建設時からもんじゅと関わってきた県OBの一人は「廃炉の計画を立てるだけでもやっかい。実際の作業に入るまでに10年単位で掛かるのではないか」とみている。

 解体までの工程を示す「廃止措置計画」を原子力規制委員会に申請するには、使用済み核燃料の取り出しが前提になる。取り出し一つとっても、完了までに最短で約5年半掛かると見込まれている。10年には燃料交換用の炉内中継装置が原子炉容器内に落下するトラブルが起きており、順調に進むかは分からない。

 もんじゅの炉心にある198体のMOX燃料と、周辺に置かれた172体のブランケット燃料は、燃料同士が支え合う構造で、1体取り出すたびに模擬燃料と入れ替える必要があるが、ブランケット燃料用は今後作らなければならない。燃料の保管容器や中間貯蔵施設も必要になる。

 使用済み核燃料プールの耐震補強なども迫られ、廃炉の作業期間が延びれば、費用はさらに膨らむ。

 元京都大原子炉実験所助教の小出裕章さんは「軽水炉でも30年では解体できず、ましてや高速増殖炉では到底不可能だ。解体後も残る大量の放射性廃棄物とどう向き合うかも重い課題で、廃炉という言葉を簡単に使うべきではない」と指摘する。



 もんじゅは、水や空気と激しく反応するナトリウムを冷却材として計約1670トン使っており、事故のリスクは廃炉になっても残り続ける。実際に1984年から廃炉作業に入っているフランスの実験炉「ラプソディー」で、94年にナトリウムの処理中に作業員が死傷する爆発が起きている。

 原子炉などを循環する1次系のナトリウム約760トンは放射性物質も含んでおり、これまでに国内で処理した実績はない。欧米では化学反応で安定した塩化ナトリウムなどにして処理する方法が採用されている。処理の過程で発生する水素の安全管理などが課題で、原子力機構は「一つの選択肢だが検討はこれから」(原子力機構)という段階。処理後の放射性廃棄物をどう扱うかも決まっていない。

 1次系の全量760トンを保管するには既存のタンクでは容量が足りず、増設が必要になる。ナトリウムを抜き取っても、配管や機器に付着したものまで安全に取り除きながら解体をどう進めるかは大きな課題になる。

 一方、使用済みを含め計320体あるMOX燃料の行き場もない。通常の軽水炉で使うウラン燃料に比べ、毒性の強い放射性物質が多く含まれており、青森県六ケ所村の再処理工場では受け入れていない。

 原子力機構は原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん)=敦賀市=の使用済みMOX燃料を、茨城県東海村で再処理した実績はある。ただ再処理施設の耐震補強工事の影響で、ふげんからの燃料搬出は08年から止まったまま、原子力機構は14年に施設の廃止を表明した。フランスの企業に委託して再処理する方針だが、契約交渉は難航しており、計画通りの燃料搬出完了(17年度)は困難な状況だ。

 もんじゅも原子炉設置許可申請書で「東海村の施設か海外委託での再処理」としており、ふげんと同様に袋小路に入り込みかねない。元京都大原子炉実験所講師の小林圭二さんは「もんじゅで大量の機器点検漏れが起きた要因の一つは職員の意識が低下したからだ。廃炉でなおさら士気は下がる。ナトリウムやMOX燃料の処理を着実に進められるのか」と疑問視した。


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