福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

もんじゅ廃炉を福井県に伝達 知事反発「見直しを」

  • 2016年12月20日
  • 07:55
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
もんじゅ関連協議会で意見交換をする福井県の西川一誠知事。手前は松野文科相=19日午前、文科省
もんじゅ関連協議会で意見交換をする福井県の西川一誠知事。手前は松野文科相=19日午前、文科省

 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)を巡り、国と福井県が情報共有する「もんじゅ関連協議会」が19日、文部科学省で開かれ、もんじゅ廃炉の政府方針案が県側に提示された。西川知事は「方針は受け入れられない。見直しを強く求める」と反発。政府はもんじゅ失敗の総括や廃炉の運営主体について再回答する。政府は原子力関係閣僚会議で廃炉を正式決定するが、当初想定の20日の開催は困難な見通しで、週内を目指し、地元とぎりぎりの日程調整が続きそうだ。

 協議会は西川知事と松野博一文科相、世耕弘成経済産業相が出席。松野文科相はもんじゅに関し▽新規制基準対応に8年、5400億円が必要▽運転再開で得られる知見は代替手段で獲得が可能―などとして「原子炉としての運転再開はせず、今後廃止措置に移行する」と伝達した。廃炉後に、周辺地域を高速炉開発や原子力の研究、人材育成の中核的拠点と位置付け、試験研究炉をもんじゅ敷地内に設置し、もんじゅを研究に生かす考えも伝えた。

 しかし西川知事は「国のこれまでの反省が示されていない。過去の総括なくして、将来の高速炉の展望も描けない」と主張。「運営主体の問題は、今後の研究開発にも深く関わる」として、廃炉作業をはじめ、研究炉の主体を原子力機構が担うことに強い難色を示した。

 松野文科相は「政府として真摯(しんし)に受け止め、説明を重ね、理解を得られるようあらためて回答する場を設ける」と締めくくった。

 協議会に先立ち開かれた政府の「高速炉開発会議」では、もんじゅに代わる高速炉の開発方針を取りまとめた。核燃料サイクル政策の推進を堅持するとともに、開発に向け、同会議の下に作業部会(戦略ワーキンググループ)を設置し、年明けから工程表の策定を始め、2018年をめどに策定を目指す。

 もんじゅの廃炉費用は、2047年までの今後30年間で3750億円以上との試算を文科省が提示。18年から約5年半をかけて使用済み燃料を取り出し、解体作業に入る。施設の解体が完了するまでの維持管理費に2250億円、解体経費に1350億円、使用済み核燃料の取り出しと廃炉への準備作業に150億円かかると見込んでいる。

 高速炉開発会議には、世耕経産相、松野文科相、電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)らが出席した。

 ■もんじゅ

 プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使い、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出すとされる高速増殖炉の原型炉。実用化までの4段階のうち2段階目で、出力は28万キロワット。1994年に初臨界。95年にナトリウム漏れ事故を起こすなどトラブルが続き、運転実績はほとんどない。原子力規制委員会は昨年11月、日本原子力研究開発機構に代わる新たな運営主体を探すよう所管の文部科学相に勧告した。政府は今年9月の原子力関係閣僚会議で「廃炉を含めて抜本的に見直す」と表明。近く廃炉を正式決定する。

 ■高速炉

 核分裂反応を起こすために、飛ぶスピードが速い「高速中性子」を使う原子炉の総称。炉心の熱を取り出す冷却材に水を使う一般の原発(軽水炉)と異なり、中性子を減速させないために液体ナトリウムを使う。炉心の周りに増殖用の燃料を置き、使った以上の燃料を生み出すものを「高速増殖炉」と呼ぶ。燃料を組み替え、放射性廃棄物を減らす研究にも使われる。フランスは廃棄物対策に主眼を置いて研究開発を行うが、ロシア、中国、インドなどは燃料増殖志向で開発を進める。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース