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知事怒り「議論不十分で拙速」 もんじゅ廃炉伝達

  • 2016年12月20日
  • 07:59
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「到底受け入れられない」と政府案に反対の意見を述べる福井県の西川一誠知事(右)=19日、文部科学省
「到底受け入れられない」と政府案に反対の意見を述べる福井県の西川一誠知事(右)=19日、文部科学省

 「もんじゅの諸課題に十分な議論が尽くせたとは思えず、拙速の感が否めない」。福井県の西川一誠知事の物言いは、いつになく静かで、強気だった。地元を軽視した議論、廃炉ありきの結末に、不満をあらわにした。19日のもんじゅ関連協議会で廃炉の政府方針案が示されるに至っても、経済産業省の担当者が「想定を超えた」と困惑するほど理詰めを貫いた。

 協議会で松野博一文部科学相は「政府方針案について、公開の場で事前に知事に示すことで前回協議会の答えの一つにしたい」と述べ、廃炉に至った過程を説明した。「もんじゅの位置付けを見直し、さまざまな不確実性を伴う原子炉としての運転再開はせず、今後廃止措置に移行する」と主張。「大変難しい判断ではあるが…」と苦渋の選択をにじませた。

 西川知事は発言の冒頭「大きく2点申し上げたい」と切り出した。「もんじゅの総括と廃炉の理由説明」と「もんじゅの新たな運営主体の課題」だ。

 総括を挙げたのは、もんじゅの失敗の原因と、国の反省が示されていない中で今後も高速炉開発を続け、研究開発の一拠点に福井県や敦賀市を位置付けるのは無理というのが理由。「単に内外の情勢の変化や抽象的な代替策の説明で、廃止するのでは地元として納得できない」と怒った。

 運営主体の課題は、知事が廃炉論議で一貫して主張してきた。幾度となくトラブルに見舞われ、地元が翻弄(ほんろう)され続けた歴史をこれからも繰り返すのか―という不信感が根底にある。「高速炉を安全に保守管理できる新たな運営主体を整備すべきだ」と、一歩も譲らなかった。

 政府方針案は「(現在の運営主体の)日本原子力研究開発機構において、計画的に廃止措置を実施。国内外の英知を結集できるよう、外部の協力を得た新たな体制を構築」とある。これを全否定し、機構を廃炉の主体から外すのなら「ナトリウムを取り扱える主体は機構以外になく、かえって地元を危険にさらすことになる」(文科省担当者)。現実を鑑みながら、着地点について政府内で詰めの協議が行われるとみられる。

 県内への研究炉の新設なども「地元振興策」として国が提示してきたが、西川知事は記者団に「振興という議論でものを済ますということか。あくまでもんじゅをどうするかで、振興策の前の話だ」と述べ、もんじゅとの引き換えを否定した。

 政府は原子力関係閣僚会議での正式決定前に説明して“誠意”を示したが、知事の怒りをはかり切れていなかった。「文科相から回答をしたいということなので、回答を待つ」と西川知事。政府が県に投げ返したボールは、あっさりと政府の手に戻った。


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