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スペイン、原発後始末を公社に一元化 廃炉先進地の今(1)

  • 2014年8月13日
  • 17:58
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原発構内で解体作業を行う作業員=スペイン・ホセカブレラ原発
原発構内で解体作業を行う作業員=スペイン・ホセカブレラ原発

 世界の原発約430基(2014年1月時点)のうち、廃炉段階にあるのは約130基。その約6割を欧州の原発が占める。福井県内原発も高経年化(老朽化)が進み廃炉時代が目の前に迫る中、日本技術者連盟の廃炉実態調査団に同行し「廃炉先進地」といえる欧州4カ国を訪れ、取材した。

 スペインの首都マドリードから東へ100キロ。オリーブやブドウ畑が散在する乾燥地帯を進むと、スペイン最古のホセカブレラ原発が現れた。

 37年間運転し、2006年に停止。外観は運転中と変わらないが、建屋内では10年から本格的な廃炉作業が進む。担当しているのは30年前に設立された放射性廃棄物管理公社「エンレサ」。電力事業者から所有権を受け取り、更地にして17年には返還する計画だ。

 ドーム型の建屋内には、金属を溶かした際に出るような独特のにおいが漂う。壁の所々に赤や緑のスプレーで書かれた線や数字が目に付く。例えば電気ケーブルの場合、使用しているものは緑、使っていないものは赤で印を付け区別。誤って必要なケーブルを切らないようにしている。

 燃料プール内では原子炉圧力容器の解体作業が行われていた。作業員はパソコン画面を見ながら、遠隔操作で切断に取り組む。放射線量が高い部品の解体は汚染を防ぐため水中で行われる。

 東京電力福島第1原発事故のような事態にさえならなければ、廃炉にできる技術は確立されている。機械による切断やガス溶断などは特別な技術ではなく、見た目は一般的な工事現場の解体作業と変わらない。違うのは放射線管理が徹底されている点。放射能プロテクト係と呼ばれる“見張り番”が記者に追随し、常に放射線量に異常がないかを検知器で確認していた。

 「作業は現在、約6割が終わった」。エンレサ広報担当のホルヘ・ボルケ・リニャン氏(35)はこう説明する。約250人の作業員によって、わずか10年程度で廃炉を完了する計画だ。

 スピード解体の背景には、出力が16万キロワットと原発の規模が小さいこともあるが、廃棄物の行き先が暫定的に決まっていることがある。廃炉に加え、廃棄物の管理・貯蔵・処分といった原発の後始末を一元化し同公社が担う。

 放射能レベルの高い「高レベル放射性廃棄物」はコンクリート容器に入れ、敷地内で一時的に保管。「中低レベル」は、約600キロ離れたエルカブリル処分場に定期的に搬出している。同原発と処分場の連携で「効率的に廃炉作業が進められる」(ボルケ氏)という。廃炉後の敷地の活用法は決まっていないが、ボルケ氏は「我々の使命はなるべく早く更地の状態に戻すこと」と強調した。


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