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もんじゅ廃炉最終判断迫る 国と県、思惑と課題複雑に絡む

  • 2016年12月11日
  • 07:30
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政府の高速炉開発会議で廃炉を前提にしている福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」=2016年11月18日(本社ヘリから撮影)
政府の高速炉開発会議で廃炉を前提にしている福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」=2016年11月18日(本社ヘリから撮影)

 日本原子力研究開発機構が運営する高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)は、20日にも廃炉の最終判断が政府により下される。一方で、もんじゅの後継機に当たる実証炉はだれが運営するのかも見えないまま、国内に建設する方針という矛盾を抱えている。運営主体の論議は置き去りで「もんじゅ後」の地元振興も抽象的な議論にとどまっている。さまざまな思惑と課題が複雑に絡み合ったまま、もんじゅ存廃の最終局面に入っても迷走が続いている。

 ■お役御免

 「最重要となる実証ステージにおける今後10年程度の開発作業を特定」。先月30日の高速炉開発会議で示された開発方針の骨子には、こう記されている。開発は「実験炉→原型炉→実証炉→商業炉」と段階を踏んで進むが、第2段階のもんじゅがほとんど稼働できないまま、第3段階の実証炉の国内建設に取り組むという方針だ。

 これまでの高速炉開発会議で▽もんじゅの建設から運転までで、相当程度の知見を得た▽もんじゅが再稼働しなくても、国内外の代替施設(実験炉「常陽」、仏ASTRIDなど)で実証炉開発に必要な知見は得られる▽代替施設で知見が得られなくても、実証炉の設計で安全性に余裕を持たせることで対応する―などの項目を確認している。

 技術的には開発を前に進めることが可能で、事実上もんじゅは“お役御免”というのが国の言いぶりだ。

 ■技術論は無理筋

 一方、福井県は「もんじゅの存廃にかかわらず、安全担保のために運営主体を特定する必要がある」と譲らない。もんじゅの存廃論議は原子力機構の運営がずさんだったためで、技術論を前面にもんじゅ廃炉を打ち出す国のシナリオは無理筋との立場だ。

 運営主体にこだわるのは、仮にもんじゅを廃炉するにしても、廃炉が完了するまで今後30年はもんじゅと向き合い続けなければならないこともある。使用済み燃料や放射能を含んだナトリウムの処分方法など課題も山積している。

 高速炉開発会議では「もんじゅの活用」の言葉が躍る。文部科学省は「存廃にかかわらず、もんじゅで何かをすることで将来につながる成果が出てくる」と説明。今後の高速炉開発に必要な「国内外の大型ナトリウム試験施設」の一つに、廃炉を決めた後のもんじゅが当てはまるとの見方も一部にある。

 ■「決まること少ない」

 もんじゅは廃炉前提なのに、なお国が高速炉開発にこだわるのは、核兵器に転用できるプルトニウムを処分する必要があるためだ。

 一般の軽水炉を運転し続ければ、プルトニウムの保有量は増える。当面の減量策としてプルサーマル(軽水炉でのプルトニウム利用)では、処分量に限度がある。国際社会のプルトニウムに対する厳しい目を避けつつ軽水炉を動かすことと、高速炉開発は表裏一体となっている。

 国は、県と敦賀市を引き続き高速炉研究の拠点として位置付け、県のエネルギー研究開発拠点化計画への協力を表明している。加えて、人材育成の拠点となる研究炉の県内新設や、西川知事のこだわる「もんじゅの活用」策も用意しているもようだ。もんじゅを廃炉にした後も次の段階に進めるため、高速炉開発の「良き理解者」であった福井県を敵に回したくない、との思惑が透けて見える。

 ただ地元には「何の確約もない空手形」との警戒感が強い。関係者の一人は「国策で廃炉を決めたとしても、地元振興はその先の話。年末までに決まることはごく限られる」と見通す。


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