福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

保守管理、変わらぬ甘い体質 もんじゅ初臨界20年(中)

  • 2014年4月6日
  • 17:49
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
もんじゅの1万点を超える機器の点検漏れ問題を受け、点検内容が適切かを確認する原子力規制庁の保安検査。保守管理に甘い体質は旧動燃のときから指摘されている=2013年12月、福井県敦賀市白木
もんじゅの1万点を超える機器の点検漏れ問題を受け、点検内容が適切かを確認する原子力規制庁の保安検査。保守管理に甘い体質は旧動燃のときから指摘されている=2013年12月、福井県敦賀市白木

 「安全文化の劣化を示す重大な問題」。高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)で発覚した1万点を超える機器の点検漏れ問題で、原子力規制委員会は2013年5月、日本原子力研究開発機構に対して運転再開の準備を禁止する命令を下した。違反と認識しながら点検の対応を放置した安全軽視の体質を厳しく断じた。

 ×  ×  ×

 プラントの保守管理や運転に対する原子力機構の甘い体質は、1995年のナトリウム漏れ事故後にも指摘されていた。当時の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の問題点について、97年に科学技術庁の動燃改革検討委員会がまとめた報告書では「施設運転部門の軽視などによる危機管理の不備」「現場責任の確立による安全確保」を挙げた。

 動燃はナトリウム漏れ事故や97年の東海事業所の再処理工場火災・爆発事故などを受けて解体的出直しを迫られ、98年に核燃料サイクル開発機構に改組。2005年には特殊法人改革の一環で、当時の日本原子力研究所と統合して今の原子力機構になった。

 組織が変遷しても、もんじゅ自体は「研究炉」と「発電炉」という“二つの顔”を持つことに変わりはない。高速増殖炉開発の研究志向が強い分、発電所としての運営が長期停止も相まってなおざりになり、それが根本的な組織の問題として横たわっている。

 昨年度まで県原子力安全対策課長を務めた岩永幹夫・安全環境部企画幹は「プラント全体のマネジメントが残念ながら欠けている部分」と指摘。県原子力安全専門委員会の中川英之委員長も「発電所なので一般の原発と同じような安全対策を取る必要があり、電力会社のような意識で運転と保守管理に重点を置かなければならない」と強調する。

 もんじゅのこれまでの事故やトラブルの背景には、保守管理面でのメーカー依存がある。ナトリウム漏れ事故、08年に続発したナトリウム検出器の誤作動、10年の炉内中継装置の落下…。いずれもメーカーの設計や取り付けのミスが原因だ。

 向和夫・元もんじゅ所長は「最終責任はこっちにあるが、(建設段階で)旧動燃は基本的に高速増殖炉の設計が中心。他の機器の詳細設計は技術を持つメーカーに任せ責任の分担だった」と話す。

 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「メーカーへの丸投げ」と批判した上で、「96~98年に設計思想にまでさかのぼる安全総点検をしたにもかかわらず、炉内中継装置の設計ミスを見つけられない。職員に見抜く能力がない」と突き放す。

 中川委員長は「保守管理に対する責任体制が明確にされていない」と指摘。機器の点検漏れ問題を踏まえた組織改革として「現場に密着した保守管理体制をつくるため、現場の仕事を分類・整理し、それらを束ねる責任者を明確に位置付けるべきだ」と訴えている。

 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)は、1994年4月5日の初臨界から20年が経過した。発電しながら消費した以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」といわれたが、20年間での運転期間の累計はわずか220日。事故や不祥事で迷走を続け、「安定した発電の技術的な実証」という原型炉の目的を果たせぬまま存在意義が問われている。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース