福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

福井県内に研究炉新設 知事、国の動きけん制

  • 2016年12月3日
  • 10:02
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0

 政府が福井県内に研究炉を新設する方向で調整していることについて、西川知事は2日、「具体的な話は聞いていない」と述べ、国からの打診はないとした。ただ、県のエネルギー研究開発拠点化計画には、研究炉の必要性が明記されており、福井県にとって降って湧いた話ではない。県としては県民の理解が得られるかどうかを含め、県内への新設が可能か慎重な判断が必要な上、研究炉をもんじゅ廃炉の取引材料にされたくないとの思惑が見え隠れする。
 「まずはもんじゅの体制と、もんじゅをどう生かすかをはっきりしないといけない。引き換えじゃなくて、継続の話だ」。西川知事は記者団にこう語り、国の動きをけん制。研究炉をはじめとする地域振興はあくまで、もんじゅの方針が定まって以降の話だという従前の考えを強調した。

 ただ、研究炉の整備論議は今に始まったことではない。2014年11月に開かれた県エネルギー研究開発拠点化計画の推進会議では、学生らの実習の場となる新たな施設について、県内整備も含め15年度から検討を始める方針を決定。国や大学、電力事業者などでつくる検討会を設置する方針だった。

 しかし、県電源地域振興課によると、15年度に文部科学省の原子力科学技術委員会の部会で、原子力人材育成の議論がスタート。国の考えを踏まえる必要があるとして、県の検討会は開かれていないという。県の担当者は「研究炉の必要性は訴えているが、県内外も含め、どこに建てるべきかは一言も言っていない」と強調。別の県内関係者も「廃炉と引き換えでは、あまりに得るものが少ない」とする。もんじゅと関係なく検討してきた課題を、国にもんじゅ廃炉と結びつけられる道理はないとの考えだ。

 一方で、研究炉の必要性は待ったなしだ。新規制基準に合格した国内3基のうち、最も高出力の京都大の研究用原子炉(大阪府熊取町、出力5千キロワット)は1964年の初臨界から52年が経過している。本県の原子力安全専門委員会の委員も務める京大原子炉実験所副所長の釜江克宏教授は「あと10年は運転したいが、どうなるかは分からない。廃炉費用も多額だ」とする。費用対効果に見合わない小型の研究炉は、今後も整理が進むとの見方だ。

 このため、これから新設する研究炉は「どこかの組織が単独で持つ仕組みにはならないだろう」と推測。小型とはいえ大規模な「オールジャパン」の研究炉をどこかに建設することになるとみている。仮に本県に建設されれば、全国から学生や研究者が集うことになり、エネ拠点化の核施設の一つになる可能性もある。

 「これからいろいろやる。要望ではなく、やりとりの話だ」と西川知事。表向きは、あくまで国の出方をうかがう方針だ。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース