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規制委に原発立地地域なお不信感 発足から2年、再稼働はゼロ

  • 2014年9月18日
  • 20:05
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原発の再稼働の前提となる安全審査などを進める原子力規制委員会。発足から2年を迎えるが、立地地域との信頼関係が築けていないなど課題も多い=2014年9月17日、東京都港区
原発の再稼働の前提となる安全審査などを進める原子力規制委員会。発足から2年を迎えるが、立地地域との信頼関係が築けていないなど課題も多い=2014年9月17日、東京都港区

 原子力規制委員会は2014年9月19日で発足から2年を迎える。原発の再稼働に必要な安全審査では、先ごろ九州電力川内原発(鹿児島県)に初の「合格」認定を出したばかりで、発足後に再稼働した原発はまだゼロ。福井県内の関西電力高浜、大飯原発は審査開始から1年が過ぎても、合格に向けた日程や再稼働時期が見通せない。県や立地市町からは効率的な審査や説明責任を求める声が強まっているが、規制委と立地地域の意思疎通もなく、信頼関係を築けていないのが現状だ。

 ■「場当たり的審査」

 「より安全側に」と厳格な審査姿勢を貫く規制委。当初「半年程度」としていた審査は長引き、高浜と大飯では地震・津波対策で時間を要している。

 電力事業者と見解が対立した場合などは事業者に次々とデータの追加提出を求め、最終的に事業者が“全面降伏”するまで続く例もあり、その審査手法がスケジュール感を不透明にさせているとみる向きもある。

 「原発を安全に動かすために規制するという方向性や時間軸の考え方がないから、場当たり的な審査になってしまっている」と指摘するのは、元県原子力安全対策課長の来馬克美・福井工大教授。東京電力福島第1原発事故以前の規制との決別や独立性という“形”を追求するあまり、規制行政として一定期間内に結果を出すことを重視していないとみる。

 ■破砕帯審議に疑問

 日本原電敦賀原発2号機直下の破砕帯(断層)をめぐる規制委の審査では、その進め方を疑問視する声がある。

 規制委の有識者調査団は、原電の追加調査を待たず「活断層」と認定。その後の再検証でも最新データを考慮しないなど、審議運営で原電と対立が深まっている。西川知事は「幅広い分野の専門的知見を集め、科学的・技術的議論を尽くし慎重に公正な結論を出すべきだ」と批判。16日には杉本達治副知事が田中俊一委員長あてに要請書を提出した。

 嶺南選出の吉田伊三郎県議は、有識者調査団のメンバーに規制委員が入っていることを問題視。「団長を務める規制委員が意見すれば、他の有識者は反論しにくい」と指摘する。

 調査団の結果を受けて規制委で判断する際も、他の規制委員が口を挟みにくくなる。委員1人の審査指揮が独りよがりになる恐れを排除できず5人の合議制も不十分になる―。来馬教授は「規制委は原発全体を総合的に評価する役割に徹するべきだ」と主張した。

 ■組織理念に反す

 規制委が原子力安全基盤機構(JNES)の統合で福井事務所を閉鎖するなど、原発から最も近い立地地域の住民の安全を第一に考える姿勢が見えないことへの不満も大きい。

 県や県会、立地市町の首長らは安全審査や破砕帯問題をめぐり、要請書や意見書を何度も提出しているが、規制委の反応は乏しい。

 県は規制委が原発立地地域に対する説明責任を果たさず「国内外の多様な意見に耳を傾け孤立と独善を戒める」という組織理念に自ら反している―と批判を強めている。

 嶺南選出の田中宏典県議は「規制委は審査方針や決定の過程を地元にしっかり説明し、理解を求めていくべきだ」と強調する。

 同じ立地県の新潟県知事も「国は立地の首長と会談を持たない規制委員長をいつまで放置しているのか」と反発している。規制委が立地地域との信頼関係をどう構築していくかが問われている。


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