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ゼロ出力で活用余地 もんじゅの使い道模索

  • 2016年11月23日
  • 12:25
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竹田敏一・福井大附属国際原子力工学研究所特任教授
竹田敏一・福井大附属国際原子力工学研究所特任教授

 高速炉開発の今後の方向性を、わずか数カ月の間で決めるのは性急だ。メーカー、電力会社、大学などの意見を全て聞いてやるなら分かるが、政府が意見を聞かずに方針を決めるのは納得いかない。議論は少なくとも1年くらい掛ける必要がある。

 もんじゅはまだ、使い道がある。実証炉設計のためのデータを日本としてどう取るか、技術力をどう保持していくのか。フランスとの共同研究はいい考えだと思うが、もんじゅが動いた250日間のデータは大きなものではない。フランスと対等のデータ、技術力を持たずに、共同研究しても「お金だけの関係にならないか」と心配している。悪く言えば、フランスの下請けだ。

 日本原子力研究開発機構のもんじゅ運営のずさんさは、私も腹が立つ。きちんと責任体制を決めておくべきだ。文章だけでのチェックはよくないし、マニュアル通りではだめだ。機器が多いのも言い訳でしかない。ただ原子力規制委員会も、勧告に対する答えには真摯(しんし)であるべきだ。単に危ないから止めろというのではいけない。

 もんじゅの新しい運転主体は見つからないだろう。だから出力運転は難しいかもしれない。そうなると、勧告の2番目にある、安全上のリスクを低減した上で、ゼロ出力で活用してはどうか。(連続して核分裂反応が起きる)臨界状態にはするが、制御棒を入れたままにして出力運転はしない。安全を保ったまま、実証炉へ向けたデータをある程度取ることが可能だ。また、外部から中性子を照射して、臨界しない状態で核分裂を起こす研究の余地もある。

 もんじゅ存廃の議論は、技術の本質から外れている。一連の議論の根本は、原子力機構が外部への情報提供が下手であったことに尽きる。仮に廃炉にするのであれば、高速炉臨界実験装置という、原子力機構がかつて持っていた設備を敦賀に置くのもいい。

 高速炉開発の道筋は文部科学省がリーダーシップを取るのが本筋だが、現状はそうではない。だとするならば、立地地域から声を上げないとだめだ。(文科相、経済産業相、西川知事の3者による)もんじゅ関連協議会では、こういう装置を残して、あるいは建設してほしいという観点で話すべきだ。福井はエネルギー研究拠点化を進めてきた実績がある。単にフランスの下請けになるより、有効な投資にしなければならない。



 たけだ・としかず 1945年、大阪府生まれ。日立製作所研究員として、もんじゅ設計に従事。大阪大大学院教授などを経て、2009年に福井大附属国際原子力工学研究所長。11年から現職。


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