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福島原発の廃炉費用を大幅拡大 東電原発事業には解体論も浮上

  • 2016年10月26日
  • 10:01
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東京電力改革の流れ
東京電力改革の流れ

 東京電力福島第1原発の廃炉費用が大幅に拡大することが確実になった。東電が再建計画の前提としてきた柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働は、慎重派の知事の就任で不透明感が増した。政府内では東電から原子力事業を切り離す「解体論」も浮上。東電改革を機に「原発再編」が一気に現実味を帯びてきた。

 ▽「数千億円」

 「いろいろな議論が俎上(そじょう)に上がってくる」。25日の有識者による「東電改革・1F(福島第1原発)問題委員会」後に記者会見した世耕弘成経済産業相は、東電問題にとどまらず国内の原発の在り方を幅広く議論することに意欲をのぞかせた。委員会で経産省は、廃炉費用がこれまでの年間800億円から「数千億円」に拡大するとの試算を示した。総額は提示しなかったが、想定の約2兆円から数兆円膨らむことは明らかだ。

 廃炉費用は東電自身が負う約束だったが、示された金額はその域を超え、国民負担につながる可能性がある。「国民の納得を得るためには再編も避けられない」。ある委員会関係者は「東電解体」の可能性を口にした。

 ▽画餅

 新潟県ではこの日、米山隆一氏が新知事に就任した。米山氏は会見で柏崎原発の再稼働への対応を聞かれ「県民の命と暮らしが守られない限り認められない」と、厳しい姿勢を改めて示した。

 医師でもある米山氏はかつて、放射線医学総合研究所で東海村臨界事故の対応に当たった経験を持つ。それだけに原発の安全性に対する問題意識は強い。柏崎6、7号機は原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査が進むものの、電力業界では「再稼働には数年かかるのではないか」と見る向きが多い。

 東電の現行の「新総合特別事業計画」は来年1月に改定を迎える。東電はこれまで同様、柏崎が一定時期に再稼働することを前提に収支計画を立てる方針だが、今回も「絵に描いた餅」となる公算が大きい。

 「柏崎が長期間稼働できないケースを想定しなければ、現実的な議論はできない」。委員の一人はそう言って政府、東電の対応を批判した。

 ▽電力各社も危機感

 電力業界では以前から、原発再編の青写真として沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)という炉型によって集約する案がささやかれてきた。

 実際、それを連想させる動きが一部に見られる。PWRを保有する関西電力など4社が今月、原発の安全性向上のための技術協力を進める協定を締結。関電は廃炉や事故時の対応でも5社協定を結んだ。

 25日の東電有識者委で伊藤邦雄委員長(一橋大大学院特任教授)は、「原発事業の切り出しはあり得る」と明言した。

 解体が語られ始めた東電を前に電力他社は危機感を募らせている。ある大手電力幹部は「電力事業は地域との信頼関係の上に成り立っている」と急進的な業界再編議論をけん制した。


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