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小泉純一郎氏の脱原発発言が福井に波紋 「核のごみ」議論深まる可能性

  • 2013年11月23日
  • 18:45
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 安倍晋三首相に脱原発にかじを切るよう強く促す小泉純一郎元首相の発言が、福井県内にも波紋を広げ始めている。電力業界は「無責任な発言」と批判する一方、原子力政策をめぐる動向に与える影響を注視している。脱原発派は「まっとうな意見」と歓迎する向きが強い。ただ小泉氏が問題視する放射性廃棄物の処分問題は「どちらにしても解決しなければならない」(田中宏典県議=自民党県政会)のが現実。小泉発言を契機に原子力政策最大の懸案について議論が深まる可能性もある。

 ■議連立ち上げへ

 「放射性廃棄物の最終処分場もないのに原発を進めるのは無責任だ」「原発ゼロでも経済成長できる」「即ゼロの方がいい」―。小泉氏は2013年10月以降、脱原発の主張を強め、最近は「判断力、洞察力の問題」と安倍首相を名指しして政策変更を迫っている。

 高い支持率を背景に長期政権を実現した元首相の発言に国政は揺れている。自民、公明と民主の3党は20日、最終処分問題を議論する議員連盟を臨時国会中に設置することで合意した。その動きの中心にいるのは自民党資源・エネルギー戦略調査会会長である本県選出の山本拓衆院議員。「発言に目新しさはなく、触発されたわけでもない。議連の立ち上げはむしろ遅れた」とした上で、関心を集める効果はあったと語る。

 「エネルギー資源の乏しい日本で原発ゼロは簡単にできない。責任がないから言えるだけ」。県内の電力関係者はこう切り捨てる。「何か思惑があるのか、単なる思いつきなのかがまだ見えない」と戸惑いの声もあるが、別の関係者は「われわれが何かできる相手ではない」と静観する。

 一方、反原発の佐藤正雄県議(共産党)は「放射性廃棄物の最終処分問題を意識し、原発は推進できないという認識に立ったのはまっとう」と評価。推進した立場の首相経験者が、自戒を込めて原発からの撤退を訴える政治的インパクトは大きいとみている。

 ■地層処分是か非か

 “核のごみ”をどこに処分するのか。脱原発派が「原発はトイレなきマンション」と批判してきたこの問題は解決の見通しが全く立っていない。

 使用済み核燃料を再処理する過程で生まれる高レベル放射性廃棄物について、国はガラスで固めて地下300メートルより深い場所に埋める「地層処分」を推進してきたが、公募による候補地選定は頓挫している。原発の廃炉作業で出てくる低レベル放射性廃棄物の処分地も決まっていない。

 日本学術会議は昨年9月、地層処分する現行政策を抜本的に見直し、数十年から数百年間の「暫定保管」に転換するよう提言した。一方で最終処分地選定に向けた資源エネルギー庁の作業部会では、地層処分を前提に政府が適地を全国的に示す方針に転換する方向で議論が進んでいる。

 原発立地地域選出の田中宏典県議は「小泉氏がはっきり問題提起している以上、国の考えはこうだと言う必要がある」と話す。年内に策定するエネルギー基本計画の中で明確に方針を示すことで対応していくべきだと訴えている。


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