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原子力規制委発足から1年、体制は途上 原発立地地域に渦巻く不信

  • 2013年9月18日
  • 18:40
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敦賀2号機直下の破砕帯を「活断層」とする報告書を了承した原子力規制委員会の田中俊一委員長(右端)ら。発足1年を迎える規制委に対し、立地地域の不信感は高まっている=2013年5月22日、東京都港区
敦賀2号機直下の破砕帯を「活断層」とする報告書を了承した原子力規制委員会の田中俊一委員長(右端)ら。発足1年を迎える規制委に対し、立地地域の不信感は高まっている=2013年5月22日、東京都港区

 原子力規制委員会は2013年9月19日に、発足から1年を迎える。旧原子力安全・保安院と電力事業者がなれ合いとも言える関係に陥っていた反省を踏まえ、厳格な規制体制の構築を進めている。一方、発足後はまだ1基の原発も再稼働しておらず、立地地域からは「一体何のための規制なのか」との不信も渦巻いている。確固たる体制づくりに向けた取り組みはまだ途上だ。

 規制委は昨年9月の発足以降、東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえた新規制基準や原子力災害対策指針を策定し、原発敷地内の断層調査にも着手した。失った原子力規制の信頼を回復するため、一から積み上げている。

 ただ、福島事故後に再稼働したのは旧保安院時代の関西電力大飯3、4号機(福井県おおい町)だけ。4電力会社は今年7月、6原発の安全審査を規制委に申請したが審査の行方は見通せず、いつ再稼働できるかは不透明だ。9月2、15日に大飯3、4号機が順次定期検査に入り、国内の稼働原発は再びゼロに戻った。

 大飯、高浜原発が立地する大飯郡選出の田中宏典県議(自民党県政会)は「一体何のために規制委をつくったのか。ヘビの生殺しだ。安全審査に時間がかかるのは分かるが、見通しすら立っていない」と批判。立地地域の不信感は深まっていると訴える。

 西川知事も「安全審査を合理的な理由もなく遅延させるなど非効率的」と厳しく指摘。孤立と独善に陥っているとして、規制委を監視する政府機関の設置を要求している。12日の記者会見で「原子力をどう安全に使うのかという姿勢が見えない」と立ち位置そのものに疑問を呈した。

  ■  ■  ■

 断層調査では審議が長期化したり、「結論ありき」(嶺南の経済団体幹部)と取られかねない評価会合の議事進行もみられ、有識者調査団と事業者が激しく対立するケースが目立つ。県は「規制委に専門スタッフがいない」とし、断層の調査や評価を専門に行う機関の設置が急務としている。

 これに対し田中俊一委員長は「事業者にとって相当厳しい判断もしているが、こういったことを積み重ねることで初めて、福島事故の反省に立った安全規制が少しずつ肉付けできる」と反論する。安全文化を本当に身に付けるには「相当の覚悟と努力が必要」とも語り、理解を求める。

 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は、安全審査や断層調査では「それなりに厳しく対応している」と評価する。一方で、新基準には5年間の猶予期間を認められた安全対策があるなど「甘い面もある」と指摘。福島第1原発の汚染水漏えい問題では「原子力規制庁がもっと前面に立って対応すべき」と注文する。

 規制委の存在感が際立つのは、福島第1原発の事故以降、原子力委員会が機能せず、国のエネルギー政策が定まっていないことの裏返しでもある。

 「福井県がこのまま国の原子力政策に協力するのがいいのか、立ち止まって考える時期かもしれない」。田中県議はこう考えざるを得ないという。秋の臨時国会を前に県の姿勢をあらためて示すべきとの考えから、18日開会の9月県会で議論を深めるべきと主張した。


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