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原発存廃分かれ目「原則」骨抜き 専門家警鐘、安全性に疑念の声も

  • 2016年10月6日
  • 12:15
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 11月で運転開始40年となる関西電力美浜3号機(福井県美浜町)が原子力規制委員会の審査に合格した。これまでに申請があった2原発3基すべてが合格となった。東京電力福島第1原発事故を踏まえ厳格化された原発の「40年運転ルール」は骨抜きの様相で、安全性に疑念の声も出ている。


 ▽後回し

 「運転40年の原則はどうなったのか」「(事故が起きたら)責任をとれるのか」。5日の会合で規制委が美浜3号機の審査合格を決めると、会場では傍聴者から批判の声が上がった。

 一方、美浜原発の地元、美浜町では元区長の庄山静夫さん(63)が「原発は町の経済や雇用を支えてきた。美浜が1基でも残って良かった」と安堵(あんど)の表情をみせた。

 老朽原発の運転延長は当初、極めてハードルが高いとされ、規制委の田中俊一委員長自身「相当困難」と公言していた。

 しかしいざ審査が始まると、規制委は時間切れで廃炉になる事態を回避するため、他の原発の審査を後回しにし、審査を進めた。

 ▽皮算用

 これまで合格した3基はいずれも関電の原発。同社は3基合計で約2300キロに及ぶ耐火性の低い電気ケーブルの難燃化対策などに約3700億円を投じる。投資判断の背景には、電力自由化による競争激化がある。岩根茂樹社長は「原発再稼働で本格値下げが最大の戦略」と明言する。

 しかし現実は、関電の皮算用通りに運ぶ状況にはない。同社は先に合格した高浜1、2号機と美浜3号機を合わせ、月140億円の収支改善を見込むが、3基の再稼働は早くて数年先。いったん再稼働した高浜3、4号機も仮処分決定で停止したままで稼働の見通しは立っていない。関電幹部は「高浜の裁判が気掛かりだ」とこぼす。

 ▽分かれ目

 40年ルールで原発の選別が始まっている。2015年春以降、5原発6基が廃炉になった。出力はいずれも30万〜50万キロワットほどと小規模だ。これに対し延長審査に合格した3基は80万キロワット以上。美浜3号機の次に古い日本原子力発電東海第2(茨城県)と関電大飯1、2号機は100万キロワット超で、両社は延長を目指す。電力業界では「50万キロワットが存廃の分かれ目」との見方が広がる。

 原子炉圧力容器は運転中、放射線の一種である中性子を浴び続け、鋼材の強度が劣化する。40年超運転の経験は世界でも多くなく「劣化がどのように進むか、完成された知見がない」(元原発設計技師の田中三彦氏)。

 原子力コンサルタントの佐藤暁氏は「設計が古いまま維持されることが一番の問題だ」と警鐘を鳴らしている。


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