福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

美浜3号、2カ月で残り2審査 期限切れ予断許さず

  • 2016年10月6日
  • 08:20
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
新規制基準に合格した美浜原発3号機=2015年4月、福井県美浜町丹生
新規制基準に合格した美浜原発3号機=2015年4月、福井県美浜町丹生

 原子力規制委員会が5日、関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の「合格証」を決定し、審査は大きなヤマを越えた。審査期限の11月末までに残る手続きは「工事計画」と「運転延長」の審査。規制委事務局の原子力規制庁は「残りの審査も大詰め」としている。ただ、新たな論点が浮上すれば期限切れとなる可能性もあり、なお予断を許さない情勢だ。

 美浜3号機は昨年3月に安全審査を申請。その後の審査で基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)が見直され、考慮する揺れは24パターン、最大加速度も993ガルに引き上げられた。このため耐震評価が複雑になり、使用済み燃料プールの燃料収納容器を国内初の構造に変更しなければならなくなった。関電が全ての耐震評価の資料を規制委に提出したのは、今年の8月26日になってからだ。

 9月6日の審査会合では、規制庁の山形浩史規制総括官が「当初考えていた予定より1カ月遅れているということは共有できているのか」と指摘。「早く100%のものを出さないと間に合わない。夏前から何となく(関電が)のんびりしている」と詰め寄った。

 規制委は再三、審査期限のある美浜3号機、高浜1、2号機について関電側に期限切れのリスクを警告。一方で、規制委は審査が大詰めを迎えていた大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を後回しにし、40年超の3基の審査を優先した。

 結果として「残りの審査は全般的に細かな直しがあるものの、論点整理はおおむね終わった。期限に関しては悲観的ではない」(規制庁担当者)というところまでこぎつけた。規制委の田中俊一委員長も5日の記者会見で「時間切れを避けたいと、事業者も我々も努力し、一つのヤマ場を越えたことは確かだ」と振り返った。しかし一連の対応は「安全よりスケジュールありき」との批判も根強い。

 関電は速やかに工事計画申請の補正書を提出する方針だが、規制庁は「スケジュールに今乗っている作業はこなせても、後出し論点があると困る」とする。

 前規制委員長代理の島崎邦彦氏が今年6月、熊本地震を参考に関電大飯原発に関して基準地震動の過小評価の恐れを指摘した問題は、規制委が最終結論を得るまでに1カ月以上かかった。こうした事態が一つでも起これば、期限切れへと傾く。

 関電の担当者は審査合格を受け「日々、精いっぱいの審査対応をしている。今後も期限に間に合うよう、真摯(しんし)かつ的確に対応していきたい」と語った。

 ■知事「課題 慎重対応を」

 関西電力美浜原発3号機が原子力規制委員会の審査に合格したことを受け、西川一誠知事は「大幅な基準地震動引き上げに伴う耐震工事などの課題があり、慎重に対応していく必要がある」とのコメントを発表した。

 美浜原発3号機は基準地震動の最大加速度が関電の原発の中で最も大きいため、使用済み燃料プールなどの大幅な改造が必要となる。西川知事はこの問題に加え、40年超運転について関電と国に国民理解を深めるよう求めている。

 松井拓夫県議会議長は「再稼働までにはさらなる審査が必要で、引き続き安全性の確保を最優先に進めていただきたい」とコメントした。

 地元美浜町の山口治太郎町長は「町民らの要望がかなったということでは非常に良かった」と喜んだ。「(審査は)時間との闘いだったので組織、人員の増強を規制庁に要望し、対応をしていただいた面もある」と評価した。

 全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)会長を務める渕上隆信・敦賀市長は「規制委は運転延長などの審査を加速し、速やかに安全性を確認するとともに、審査結果についての説明責任を果たしていただくことを強く望む」とのコメントを発表した。


 ■反対派「安全無視」と反発

 関西電力美浜原発3号機が原子力規制委員会の審査に合格したことを受け、福井県内外の原発反対派は「安全無視」と反発。訴訟を検討するとの声も聞かれた。

 福井県美浜町の元町議、松下照幸さん(68)は「熊本地震の知見を反映しないままの耐震安全性も、40年を超えて運転する老朽化対策も心配だ」と話す。「避難計画の実効性への不安もあり、再稼働を強行するなら訴訟を起こして世論を喚起することも検討したい」と憤った。

 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)の小山英之代表は審査の進め方について「電力事業者に書類の提出を急がせて、再稼働を推進している」と批判。「美浜原発の30キロ圏には、滋賀県北部が大きく入ってくる。不安の声に応えるよう求めていきたい」とした。

 グリーンピース・ジャパンは「規制委が優先しているのは、原発の安全性や市民の安全より再稼働のスケジュールだ」などとする抗議声明を出した。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース