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「高速炉」開発政府は本気? 電力そっぽ、立地も困難

  • 2016年10月5日
  • 09:25
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経済産業省が示す核燃料サイクル
経済産業省が示す核燃料サイクル

 政府は高速増殖炉もんじゅ(敦賀市)の廃炉を前提に見直しを決める一方、「高速炉」開発は継続する方針を打ち出した。もんじゅの後継炉開発の方向性も盛り込んだが、立地場所の確保など実現には難題が山積。「政府は本気で新しい炉を造る気はないのでは」との見方も出ている。

 ▽大差なし

 発電しながら消費した以上のプルトニウムを生む高速増殖炉は、原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する「核燃料サイクル」の中核施設とされてきた。

 政府はもんじゅを廃炉にしても、核燃料サイクルは堅持する方針。もんじゅの見直し方針を確認した9月21日の原子力関係閣僚会議で経済産業省は、当面の間、プルトニウムを原発で燃やす「プルサーマル」を実施し、将来の目標として、プルトニウムを高速炉で燃やし、その使用済み燃料を再利用する「高速炉サイクル」を掲げた。

 高速炉と高速増殖炉に大きな違いはない。核分裂を起こす「火種」として、飛ぶスピードが速い「高速中性子」を使う原子炉全般を高速炉と呼ぶ。高速炉の炉心周辺に増殖用の燃料を配置し、使った以上の燃料を生み出す仕組みにしたものが高速増殖炉だ。炉心の熱を取り出す冷却材に、もんじゅ事故で漏れて問題となったナトリウムを使う点も共通している。

 「われわれの概念では『高速炉』とは『高速増殖炉』も含む」。経産省の担当者は閣僚会議後の記者会見でこう説明した。そして「将来のさまざまな可能性に備える」と、増殖路線復活の可能性も示唆した。

 ▽ポーズ?

 しかし、実現性は乏しい。経産省が活用するとしているもんじゅの前段階の実験炉「常陽」(茨城県)は1970年着工の小規模な炉で、できる研究は限られる。共同研究を進めるとしているフランスの高速炉「ASTRID(アストリッド)」はまだ設計段階で、費用負担や研究の進め方は今後の交渉で決まる。

 従来、もんじゅ後継炉の開発主体とされた電力業界は原発再稼働を最優先にしており、ある幹部は「現状で引き受けられるはずがない」と話す。

 それでも核燃料サイクルと高速炉開発の看板を下ろさないのはなぜか。

 再処理工場を抱える青森県は、核燃料サイクルが中止されれば工場に保管中の使用済み燃料を全国の原発に突き返す意向を示している。そうなれば、使用済み燃料の保管容量に余裕がなくなった原発は運転できなくなる。経産省は閣僚会議の資料で「青森の理解を求めていく」と強調した。

 ある電力幹部は「(高速炉と言い続けるのは)青森県を刺激せず、既存の原発を動かし続けるための政府のポーズではないか」とみている。


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