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プルサーマル推進へ電力業界にじむ思惑 MOX燃料、原発維持へ「必要」

  • 2013年6月28日
  • 16:27
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核燃料サイクル
核燃料サイクル

 原発の新規制基準に基づく再稼働申請を間近に控える関西電力高浜原発(福井県高浜町)に2013年6月27日、3号機のプルサーマル発電で使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が到着した。構内には3号機が昨年2月に定期検査入りするまで使ったMOX燃料8体に加え、4号機用の4体もあるが、今回運び込んだ20体を含め、再稼働時に装荷するかは未定だ。核燃料サイクル政策はほとんど計画通り進んでおらず、原発の安定稼働に向け、電力業界にはプルサーマルを推進したい思いがにじむ。

 関電は2014年秋ごろから高浜3、4号機でMOX燃料を使うことを想定し、家庭向け電気料金値上げの原価を算定している。八木誠社長はMOX燃料の使用を考慮し再稼働申請する意向を示すとともに「実際に装荷するかどうかは現時点では決めていない」と説明している。

 一方、地元はどう考えているのか。野瀬豊高浜町長は「法的に町が権限を持っているわけではない」とし、事業者や国の方針に意見を述べる立場と強調。「国が原発と核燃料サイクルの位置付けをエネルギー基本計画で明確にすれば、検討する環境は十分整う」とみている。

 県は「MOX燃料の輸送と実際に使うことは別問題」との姿勢だ。高浜原発に運び込んだのは日本とフランスの外交の問題で、装荷するかどうかは「その段階で関電と議論することになる」(西川一誠知事)。

 プルサーマル発電には、制御棒が効きにくくなるなど安全性を懸念する指摘もある。その上、福島第1原発事故後の再稼働でもあり、燃料装荷について関電は「地元の理解の状況などを踏まえ総合的に判断する」(八木社長)と慎重だ。

 原発の長期停止で経営が厳しい現状では、最優先課題はあくまで「再稼働」。原子力規制委員会の安全審査が長引くようであれば、地元同意に時間がかかる可能性のあるMOX燃料装荷は、次の定検まで見送ることもあり得る。

  ■  ■  ■

 電力業界は、ウラン資源の節約や余剰プルトニウムを持たないという国際的な約束からプルサーマルを推進している。一方で、MOX燃料を使い、消費した以上の燃料を生み出す高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)の運転再開は全く見通せない。高速増殖炉実用化までの「つなぎ」として進められてきたプルサーマルは、コストは掛かるが、放棄できないという側面もある。

 プルサーマルをやめれば、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)を稼働する理由は薄れ、国内の原発構内にたまっている使用済み燃料の行き場はなくなる。電力業界が恐れるのは、原発が再稼働しても、貯蔵プールが数年で満杯になり、運転停止に追い込まれるシナリオだ。

 電力業界が「15年度までに16~18基」という目標を掲げるプルサーマルだが、実施にこぎつけたのは事故を起こした福島第1原発3号機を含めて4基だけ。現状では核燃料サイクルは破綻状態と言っても過言ではない。

 それでも嶺南のある県議は「原発を始めた以上、責任をもって最後までやり続けないといけない」と語り、核燃料サイクルを確立させる重要性を強調した。


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