福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

廃炉濃厚で揺れる原発のまち 敦賀に経済打撃、広がる困惑

  • 2013年5月16日
  • 16:05
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
人通りがまばらな敦賀市中心部の商店街=福井県敦賀市本町2丁目
人通りがまばらな敦賀市中心部の商店街=福井県敦賀市本町2丁目

 原発と半世紀近く「共生」してきた福井県の敦賀にとって厳しい一日となった。日本原電敦賀原発2号機直下に「活断層がある」とした2013年5月15日の原子力規制委員会調査団の判断を複雑な思いで受け止める敦賀市民は少なくない。既に地域経済は疲弊し、財政、雇用にも影響が出ている中、結論は存廃に直結し、死活問題に発展する。この日は高速増殖炉「もんじゅ」の事実上の運転禁止命令も決まり、「原発は地場産業。敦賀を夕張のようにしてはいけない」と悲鳴にも似た声が上がっている。

 「雇用確保策や代替エネルギーの話もなく、結論づけるのは地域にとって嘆かわしい。断層の議論は根拠が理解しづらく、いったん結論を出せば死活問題になる」。敦賀市商店街振興組合連合会の新道忠雄理事長(77)は困惑する。

 敦賀原発で働く社員、協力会社員らは千数百人おり、定期検査のピーク時は約3~4倍に膨らむ。市人口約6万8千人に加え、住民票を持たない作業員らが敦賀の経済を支えてきた面がある。

 昨春の定検終了以降、作業員らは市外へ流出。定検や敦賀原発3、4号機増設に伴う需要を見越し、進出したホテルや改修した旅館、飲食、クリーニング、弁当店、タクシーなどは打撃を受けた。敦賀商工会議所の担当者は「先が見えない」とし、20日から本年度最初の原発長期停止に伴う影響調査を実施するという。

 繁華街の「本町」は昨年から閉めた店が目立ち、雑居ビルで看板のランプが消えている店舗も多い。約40年間スナックを経営する60代男性は「これまで不況は何度もあったが、街には電力関係者や作業員らがいた。原発がこんな状況になって人がおらんのが一番こたえる」と嘆いた。

 「敦賀は約50年、原電と歩んできた。原発は地場産業であり経済基盤。こんな状態がさらに続けば人口も減り、大変なことになる」。敦賀市を拠点に原発向け建築資材の卸会社を経営する小森英宗さん(65)は危機感を募らせる。

 敦賀エリアの売り上げは通常の3分の1に激減。自身の給与を20分の1に減らし、役員報酬カット、在庫減などで雇用維持のため何とかやりくりしてきた。「廃炉にするのなら、国は一過性の支援でなく、働く場所など代わりのものを用意をすべきだ。夕張のようにしてはいけない」と訴える。

 一方、敦賀市で脱原発を訴え、住民運動を続けている坪田嘉奈弥さん(86)は「公正なる第三者が判断したことに従うべきだ。官民挙げて早く雇用対策に取り組み、廃炉作業やLNG(液化天然ガス)、新産業の誘致などあらゆる手段を考えることが必要。廃炉を想定して対応することは政治の責任だ」と話した。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース