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福島で避難生活、原電OBの心境 原発の賛否、二項対立に警鐘

  • 2013年5月10日
  • 16:01
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「原発にはリスクがあるが、原発がないリスクもある」と語る原電OBの北村さん
「原発にはリスクがあるが、原発がないリスクもある」と語る原電OBの北村さん

 敦賀原発(福井県敦賀市)での勤務経験がある日本原電OBで、今もなお福島県須賀川市内で避難生活を送る北村俊郎さん(68)=同県富岡町出身=に、東京電力福島第1原発事故から2年あまりがたった現在の心境を聞いた。方向性が定まらない原子力政策について「原発にはリスクがあるが、原発がないリスクもある。推進、反対とも“ありき”の議論の危険性に気付くべきだ」と述べ、二項対立が続く現状に警鐘を鳴らした。

 ―原子力政策をめぐる動き、議論をどうみる。

 「原発にはリスクがあるが、経済やエネルギー確保などの面で原発がないリスクも存在する。原発の即時ゼロは問題外だが、今までのまま動かすこともリスクが高い。リスク管理の視点で知恵を出し工夫するべきだ。例えば原発は止めておいて、天然ガスの輸入が途絶えた場合などにすぐ動かせるようスタンバイさせておいてもよい」

 「原発推進、反対とも“ありき”の議論では、自分に有利な証拠と論理で固め、不毛な対立を招く。安全性の向上やエネルギー安全保障などで成果が出ない。国策民営でやってきた原発をどういう形で続けていくか。民間だけでは困難で、国がどこまで助けるかも考えないといけない」

 ―原子力規制委員会の評価は。

 「旧原子力安全・保安院と同じように、資料の山をチェックする規制になる可能性もある。独立性だけでなく、実力が伴わなければならず、検査手法の開発や係官の育成システムを確立する必要がある。NRC(米原子力規制委員会)では、原発を運転したり原子力潜水艦に携わるなど、現場のことをよく分かっている人材が検査官になっている」

 「相対する電力会社の社員も能力を向上させないといけない。能力を持っているのは原発の運転に関してだけ。その他はメーカーに頼り、技術が空洞化している。安全対策はこれまでもそうだが、ハード偏重になりつつある。ソフト対策や実行能力、応用能力をきちんと審査すべきだが、まだ見えていない」

 ―新規制基準の内容は十分か。

 「安全と経済合理性の両立を目指すべき。米国では稼働率の高い原発は高い安全性があるという認識で規制側と事業者側に暗黙の了解がある。余計な対策はせず、大事なことに集中しており、費用対効果が高い。日本がそうなっているかは疑問。そういうことを言える雰囲気ではない」

 ―富岡町の自宅が帰還困難区域に指定された。

 「雇用や生活、教育、医療などが帰還時期に一度に整うことが必要。どれかが欠けても戻れない。ただ、元に戻そうというのは無理。若い人ほど持ち家率が低く、帰らないと決めている。高齢化社会を先取りしたコンパクトな街や、福島原発の廃炉作業で働く人のベッドタウンとしての復活を考えた方がいい」


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