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ヘリ、船の参加中止、陸路頼み 高浜原発・広域避難訓練

  • 2016年8月28日
  • 09:02
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原子力防災訓練で避難のため高機動車に乗り込む住民=27日午前9時ごろ、高浜町音海
原子力防災訓練で避難のため高機動車に乗り込む住民=27日午前9時ごろ、高浜町音海

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)での事故を想定した27日の原子力防災訓練では、熊本地震を教訓に複合災害を念頭に置いた住民避難を検証した。家屋倒壊や道路寸断を想定した訓練も行ったが、予定していたヘリと船舶が荒天で中止に。複合災害時に陸路のみに頼らざるを得ない不安はぬぐえない。避難時の汚染検査などに対応する職員の確保、渋滞対策、30キロ圏に入る3府県の連携など検討課題が積み残っている。

 30キロ圏内の高浜町和田地区の一部住民は、地震で家屋倒壊の恐れがあるとの想定で避難指示より前に町保健福祉センターに避難。安定ヨウ素剤を受け取った後、兵庫県に向かった。ただ、想定や目的を聞かされていない参加者もいた。同地区の会社員男性(59)は「地震になったら移動手段があまりない。兵庫まで簡単には行けないだろう」とつぶやいた。

 同原発が立地する内浦半島先端部の同町音海区では、住民が近くの関西電力駐車場にあるヘリポートから海上保安庁のヘリを使って避難した。だが風雨の影響で、陸上自衛隊の大型ヘリを使った町中央球場からの町民20人の搬送訓練や、小浜港からの海上自衛隊などの船舶輸送は中止。バスによる代替輸送となった。

 内浦半島はアクセス道路が少なく、地震で道路が寸断され孤立する恐れがある。特に1人暮らしの要支援者は不安が大きい。福祉車両に乗って美浜町まで避難した高浜町山中の村中晃さん(83)は「地震と原発事故が起きたら、介助の人がすぐに来てくれるとは思えない」と吐露する。

 30キロ圏避難時の安定ヨウ素剤配布やスクリーニング(放射能汚染検査)に対応する職員が、現地に向かえない可能性もある。訓練には県や市町の職員、警察、薬剤師など計250人が参加したが、「大地震なら、災害対応などでこんな人数は集まらない」と話す町職員もいた。

 県の担当者は「実際にはスクリーニング場所なども増え、対応職員はもっと必要になる」というが、複合災害時の参集については「努力する」「検討課題」と口は重い。

 さらに、避難時に懸念されるのは道路の渋滞だ。県外避難に使った舞鶴若狭自動車道は、舞鶴東インターチェンジ(IC)周辺で著しい渋滞が予測されている。高浜町と隣接の京都府舞鶴市民が一挙に押し寄せる可能性があるからだ。

 訓練で兵庫県宝塚市まで避難した同町若宮の介護施設非常勤職員、宮口雅吉さん(62)は、舞若道が片側1車線のため「実際には、車が殺到するだろう」と不安視した。

 今回の合同訓練は本県、京都府で「策定された広域避難計画を基に、避難経路が重ならないよう調整した」(県関係者)という。だが、事故が起きれば住民が定められた避難経路を通るとは限らず、渋滞や混乱を減らすためには3府県の連携は欠かせない。

 滋賀県の宮川正和総合政策部長は「訓練を積み重ね、課題をしっかり検証することが本当に大事。顔の見える関係づくりが必要だ」と話した。


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