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敦賀原発の断層判断、規制委が慎重姿勢に転換 報告書案、他の専門家も検証へ

  • 2013年1月29日
  • 13:16
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 日本原電敦賀原発(福井県敦賀市)の敷地内断層(破砕帯)をめぐり原子力規制委員会の調査団が2013年1月28日まとめた報告書案では「活断層の可能性が高い」と指摘する一方、規制委は報告書を他の専門家が評価、検証するピアレビューを行う方針を示した。関西電力大飯原発の調査を含め、少人数の専門家で判断する手法には、手続きや科学的妥当性の点で異論も少なくない。規制委は原電が2月末までに提出する追加調査の結果も踏まえる方針で、最終的な結論を出すにはまだ時間がかかりそうだ。

 東日本大震災の教訓を踏まえ、国は全国の原発周辺にある断層の活動性の再評価に着手した。対象は敦賀、大飯のほか美浜、高速増殖炉「もんじゅ」も含む計6原発。調査の透明性を確保するため、日本活断層学会、日本地質学会、日本第四紀学会、日本地震学会の関係4学会が推薦した専門家から原発ごとに4人を選び、規制委の島崎邦彦委員長代理を加えた5人で評価を進めている。

 昨年12月、敦賀2号機の原子炉直下を走る破砕帯について調査団は、2日間の現地調査と約2時間の評価会合で「活断層の可能性が高い」と判断した。しかも、評価会合に同席した規制委の田中俊一委員長は「今のままでは再稼働の安全審査はとてもできない」との見解を示した。

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 即断即決とも言える進め方に対し、原電は公開質問状を提出。地元自治体も判断の根拠や基準が不明確と不信感を募らせ、敦賀市会は分かりやすく説明するよう求める意見書を可決した。

 専門家5人だけで評価する方法については県会などにも異論が強く、西川知事は「限られた人数の委員が限られた期間で現地調査し、事業者とどれくらい十分な議論をしたのかも問題」と批判してきた。

 同様の問題提起は専門家からも出ている。大飯原発の調査団に名を連ねる岡田篤正立命館大教授は先の会合で「委員会のあり方そのものが問題だと思い始めている。委員会に地形地質の専門家はいるのか」と強い不満を訴えた。

 こうした声を受け田中委員長は23日の記者会見で「もう少し幅広く意見を聴く機会を設けた方がいいかもしれない」と言明。原電の追加調査結果が出れば、評価会合をあらためて開いて議論する考えを示し、慎重姿勢へと転じた。

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 28日の評価会合で島崎委員長代理は、学会の推薦する専門家により報告書を検証するピアレビューを行うとともに、事業者の意見を聴く場を別に設ける考えも示した。

 メンバーからは「評価会合が事業者の調査を検証するピアレビューのようなもの。屋上屋を架すことにならないか」(東京学芸大の藤本光一郎准教授)と疑問も出たが、島崎氏は「4人だけで見ていると、どこかに気付かない穴があるかもしれない」と理解を求めた。

 原電の追加調査結果がまとまるのは2月末の予定で、規制委の最終結論は3月以降にずれ込む可能性が高い。追加調査をする大飯原発と同様、長期化する様相だ。先の見えぬ状況に立地自治体は「専門家がそれぞれ自分の物差しをばらばらに持っている感じ」(野瀬豊高浜町長)といら立ちを募らせる。

 福井高専の岡本拓夫教授(地震学)は専門用語ばかりの議論は理解されにくいとし「地元に分かりやすく説明する機会はあってもいい」。福井大の山本博文教授(地質学)も「根拠になったデータを公表して説明することはどんな場合でも必要」と語り、説明責任の重要性を指摘している。


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