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規制委の原発再稼働基準満たす範囲は? 短期間の安全対策難しく不透明

  • 2013年1月22日
  • 13:11
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 東京電力福島第1原発で起きたような過酷事故を防ぐための基準骨子案が2013年1月21日、原子力規制委員会から示された。これまでは法的規制でなく電力会社の自主的な取り組みとされてきたため、義務化により原発の安全性は一段階上がる形になる。一方、定期検査で停止している原発の再稼働を審査する際、新たな安全基準や耐震基準に基づく対策実施をどこまで求めるのかは見通せていない。

 過酷事故を想定したアクシデントマネジメント対策は、炉心が損傷する恐れのある事態が発生しても、過酷事故への拡大を防いだり、影響を抑えるための対策。1979年の米スリーマイルアイランド原発や86年の旧ソ連チェルノブイリ原発の事故を受け、国が92年、事業者に自主的取り組みとして求め、福井県内各原発でも実施された。

 だが、法的には義務化されておらず、地震と津波が同時に起きる複合災害や長期の全電源喪失は想定してこなかった。

 新基準をめぐり電力会社は18日の有識者会合で「過度に余分な部分がある」と反発。25日に再び設けられる議論の場でも「安全性向上対策の検討、実施状況を踏まえ、意見を述べたい」(関西電力)との姿勢だ。一方、規制委の更田豊志委員は「過度に厳しいとの批判も予想しているが、これで終わりではない。ハードだけでなく手順書の整備や訓練も重要だ」とさらなる強化を目指す。

 新安全基準と耐震基準は意見公募(パブリックコメント)を踏まえて7月に施行される。ただ、安全基準にはテロや大規模な自然災害にも対応できるよう原子炉の冷却設備や第2制御室を備えた「特定安全施設」など、短期間での整備が難しい対策もある。当面の再稼働にどこまで基準を満たすよう求めるか、規制委は明らかにしていない。

 例えば、格納容器の圧力を下げるために蒸気を排出するフィルター付きベント設備。格納容器が加圧水型に比べて小さい沸騰水型では再稼働の条件となる可能性もある。県内唯一の沸騰水型軽水炉である敦賀1号機(福井県敦賀市)を持つ日本原電の濱田康男社長は「研究はしているが、設備の仕様や整備時期の検討に取りかかっていない」としており、条件次第で再稼働には大きな影響を受ける。

 電力会社は火力発電の燃料費が膨らんで経営悪化する状況を抑えるため、再稼働を急ぎたい思惑もある。ある電力幹部は「なるべく早く再稼働し、動かしながら対策を打つのが経営上は現実的」と本音を語る一方、「安全・安心を求める住民感情とのバランスもあり、先は見通せない」と苦しい胸の内を語っている。


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