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廃炉ビジネスの研修本格化 地元への効果は不透明、福井県敦賀市

  • 2016年8月14日
  • 14:10
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福井県敦賀市内外の企業の担当者らが原発解体などについて学んだ廃止措置研修=9日、敦賀市沓見の原電敦賀総合研修センター
福井県敦賀市内外の企業の担当者らが原発解体などについて学んだ廃止措置研修=9日、敦賀市沓見の原電敦賀総合研修センター

 日本原電敦賀原発1号機(福井県敦賀市)と、関西電力美浜原発1、2号機(福井県美浜町)の廃炉ビジネスに向けた技術研修が福井県敦賀市で始まっている。原発立地地域の新産業として地元企業の関心は高いものの、工事額としては原発再稼働に遠く及ばない見通しで、専門家は「立地は福島の事故後、いずれ訪れるはずだった原子力産業の転換期をいち早く迎えている」と、再構築を進める必要性を指摘している。



 ◆「標準」目指す

 「運転終了後も原発には放射能が残存する。敦賀1号機の場合、中性子を受けたコンクリートなど『放射化汚染の放射能』が多い」

 今月9日、福井県敦賀市沓見の原電敦賀総合研修センターで開かれた原子力施設廃止措置研修。一般の建物とは違う原発解体の注意点に、市内外の4企業の担当者や、福井県外の自治体関係者、原電社員ら12人が耳を傾けた。

 既に廃炉が進む日本原子力研究開発機構のふげん(同市)の見学を含む2日間のコースで受講料は2万5千円と有料だ。

 「自社の切断技術が廃炉で生かせないかと考えた」と、参加した建設会社社長(57)。福井県内に本店を置き、原発や火力発電所でワイヤでコンクリートなどを切断する工事を請け負っており、新分野として廃炉に期待しているという。

 関電が募った共同研究にも応募し、狭い現場で有効な小型・高出力の切断機の開発を目指している。「美浜は『加圧水型』の原発として国内初の廃炉。標準となる技術が開発できれば、他県の同型原発の廃炉にも進出できる」と思い描く。

 ◆開設来初

 両原発の廃止措置計画では、敦賀1号機は24年間で約363億円、美浜1、2号機は30年間で計約683億円を掛け廃炉を完了させる。先月1日に若狭湾エネルギー研究センター(同市)が開いた説明会には、同センターも「開設来初めて」と驚く約230団体400人が詰めかけ、ホールから人があふれた。

 高い関心を踏まえ同センターは無料研修を本格化させる。9月はふげん、10月は美浜原発、11月は敦賀原発を対象に、それぞれの廃炉工程を学び現場も見学する内容で「実際の作業場所で自社技術が活用できるか確かめ、元請けとの情報交換会などで売り込んでほしい」と同センター。

 さらに来年1月、原子力分野への新規参入を目指す企業向けに、入門講座も新設し、地元企業の廃炉ビジネスへの参入を後押しする。

 ◆判断しにくい

 「廃炉を担うことは立地経済界の課題。地域活性化の期待もある」と地元の敦賀信用金庫。先月の説明会には各支店から支店長を送り込んだ。だが単純計算で1基当たり年間11〜15億円という両原発の廃炉作業に「その中でも大手しか担えない部分もある。地元への効果は判断しづらいのが現状」と表情を曇らせる。

 一方で再稼働の道筋が見えてきた原発への投資額は巨額だ。例えば美浜3号機の防潮堤建設など安全対策費は約1650億円。2019年度までに投じられる。

 立地の経済に詳しい県立大地域経済研究所の井上武史准教授も「廃炉ビジネス単独では、原発建設や運転時の穴埋めはできない」との立場だ。

 「原発は長期停止がなくとも、大型化が進み定期検査などの需要は減少傾向だった。福島の原発事故が転換期を早めた側面がある」と指摘し「廃炉は長期にわたるビジネス。40年間の電力事業者との関わりを生かし、地元企業の受注を増やすことができる。巨額の再稼働工事も組み合わせ、ゆるやかに産業構造をつくりかえていくことが必要だ」と話した。


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